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新米をたのしみたい 2

2020.12.08

土鍋ごはんをリベンジ


新米を思いっきり堪能するための準備として、前回はじめて自宅での土鍋ごはんに挑戦してみましたが、残念ながら思い描いていた土鍋ごはんには今一歩至りませんでした。

<1(前編)はこちらから>

手軽にしっかりと炊いてくれる炊飯機があるのならもうそれでいいじゃないか、購入した精米したての新米たちを早く味わってみたい!と逸る気持ちもありながら、炊き上がりの香りや風味にはやはり土鍋炊飯ならではのポテンシャルを強く感じたのも事実でして、ここでぐっと堪えていま一度、自分の理想の土鍋ごはんを追い求めていきます。

前回の反省を踏まえると、土鍋で均一においしく炊き上げるにはどうやら浸水時間、火加減、蒸らし時間のあたりに大きなポイントがありそうです。

それに加えて、土鍋は土鍋でもより炊飯に向いた形をしている専用土鍋というものがあることが調べているうちにわかりました。これも仕上がりに直結しそうです。

ということで写真右が購入したその炊飯用の土鍋です。前回使用した左の土鍋と比べて底が深く、蓋も中蓋と上蓋の二重構造になっています。

同封されていた説明書によるとこれを使ってなんと電子レンジでも炊飯できるようです。土鍋でありながらレンジで簡単に炊けてしまえるのであれば、幾らか気軽になるし仕上がりも安定しそう。ガスコンロで炊いた場合との炊き上がりの違いが気になります。

そこで今回はこの炊飯用の土鍋を使って、ガスコンロと電子レンジの両方で炊いてみることにしました。

まずはガスコンロから。買ったばかりの陶器なので、小麦粉を湯に溶かして一度沸騰させる“目止め”をあらかじめ済ませておきます。

面倒ではありますが、最初にこうして膜をはっておくことによってひび割れを防ぎ、陶器を長く使えるようになります。


使用するお米は前回と同様の新潟の高地米1合です。炊飯していくにあたっての改善点として、まずはお米を研いだ後の浸水時間を“30分→約1時間”にしました。新米は含まれる水分量が多いと聞いていましたが、それでも水温が低くなる冬場は長めに浸水してあげるのがよいそうです。

そして水量も前回から+10ml微増の210mlにしました。水分量は銘柄や好みによっても適量が違うと思うので、こうして何度か増減して炊いてみて必要な水量を見極めるのがよさそうです。

沸騰させるまでの火加減は前回強火にしていましたが、今回は説明書に倣って中火に。そして沸騰した後は蓋を取らずそのまま3〜4分待ってから火を消します。

蒸らしの時間は10分→15分にしました。たった5分ですが、増えた時間以上に実際はいっそう待ち遠しく感じました。しかし火を止めた後のこの“蒸らし”がどうやら炊き上がりの決め手となるようです。

蓄熱性に優れた土鍋はそれゆえ炊飯にも向いているということになります。


炊き上がりです。しゃもじからの感覚で既に前回よりもほっくりとよく炊けているのがわかります。


お味の方はというと、これがとてもおいしかったです。前回のそこの浅い土鍋を使ったごはんに比べて均一に炊けています。おこげは少なめですが香りもよく、しっかりお米ひと粒ひと粒の味を感じることができます。

欲を言えばあとほんの少し柔らかい方が個人的には好みですが、おおよそ満足の90点といったところ。水量や蒸らし時間をさらに微調整すれば、理想の土鍋ごはんはもうすぐそこにありそうです。

続いて電子レンジでの炊飯ですが、といってもこちらは同じ210mlで浸水させていたお米を土鍋に入れて、500wで10分セットするだけです。炊き上がり後同じく15分蒸らしました。

こちらも十分においしくて驚きました。お米の粒立ちはガスコンロで炊いたものに一歩譲るのと、若干不均一でやわらかいところがありましたが、レンジに入れただけでこれだけ炊けたことに感動です。

点数は少し厳しめに70点といったところですが、電力を600wにしてみたり、炊き上がり後すぐしゃもじで切って均等にしてから蒸らしたりと、少しの改善ですぐよくなりそうで、用途によってはこのやり方もアリだと思いました。

炊飯の見える化が土鍋ごはんの魅力


前回と合わせて3度炊いてみて、土鍋での炊飯は、少しづつ炊き方を変えて徐々に自分好みのごはんの炊飯を探っていけるところにおもしろさがあることに気がつきました。前回からの各調整が確実に炊き上がりの向上に繋がったのもうれしかったです。

コンロの上でふつふつと沸騰する土鍋を見守りながら炊き上がりを想像したり、短いようで長い蒸らしの時間でじらされたりと、土鍋炊飯はお米がごはんに炊き上がっていくさまをつぶさに感じることができます。

この“炊飯の見える化”とも言える、ひとつひとつにかかる手間の過程がむしろ、土鍋ごはんの大きな魅力のひとつなのではと思いました。

沸騰した湯気が徐々に収まっていくあたりは特に、いよいよごはんが炊き上がろうとしているのがよくわかって、変な話、とても豊かな気持ちになります。

炊飯機は便利で、土鍋は味わい深い、その土鍋も電子レンジは簡単手軽で、コンロは“炊飯の見える化”という贅沢がある。しばらくは土鍋の炊飯にハマってしまいそうですが、その時々の時間の都合や用途に合わせて炊飯方法をそれぞれ選んでいくのがよさそうです。

炊き方の工夫やコツは他にもいろいろありそうですが、とにかくもこれでようやく土鍋で満足できるごはんが炊けるようになりました。

次回はいよいよ3種類の新米を土鍋で食べ比べてみます。

続きは<新米をたのしみたい 3(後編)>をご覧ください。

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