〜北海道便り11月初旬〜ホクホクかぼちゃとひしほのふろふき吹き大根
今年は本当に秋が長く、冬がなかなかやって来ません。
例年ならば初雪が降り挨拶が「寒くなったねー」から「しばれて(凍れて)きたねー」に変わる頃。
今年はまだ晩秋の空気を残したまま、鮮やかだった木々の葉は落ち、寒さに震えているようです。
そんな11月初旬のある日、千葉県野田市に住む友人から「ひしほ」と醤油漬(漬物)が送られてきました。
ひしほ(ひしほ味噌)
ひしほ、、、?
ひしお、ならば聞いたことはあります。
おなじ、、、?
調べてみると「ひしほ」と「ひしお」はおなじ。
小麦、大豆を原料にて麹を造り、醤油に漬け込んだもので、「ひしほ味噌」とも呼ばれ、いわゆるもろみ味噌のひとつであることがわかりました。
そして送られてきた「ひしほ」に書かれていた製造元は内木商店(ナイキ商店)。
野田は言わずとしれた醤油の町。
その町で長年にわたって「ひしほ」と漬物を手作りにこだわってこつこつと作ってきたお店だそうです。
送ってくれた友人は内木商店の大ファンで、勝手に応援団長となって周囲の友人に店の商品を送ってはさらなるファンを育てているそうで、つまり、今回は私がターゲットになった模様。
結果からいうと、彼女の思惑通り、まんまとファンになったということ。
そんな思惑のお誘いはうれしい限り、大歓迎だということです。
聞けば、内木商店のご主人は現在80代半ばで作り続けて60年。
その60年間、毎日麹の具合を見守っていたために家を開けたことがないとのこと。
ご主人が真面目一筋で作ってこられた、こだわりの「ひしほ」をありがたくいただきます。
今回はシンプルにふろふき大根で味わい、少し欲張って熱々のチーズとも合わせてみます。
ひしほのふろふき大根
大根の下茹でから始めましょう。
厚く切った大根の皮をむき、煮崩れ防止のために面取りをしてから、ひとつかみの米と一緒に火にかけます。
(米の研ぎ汁、炊いたご飯などでも代用可能です)
ある程度柔らかくなるまで煮たら水で洗い米粒を落とします。
水と昆布をいれた土鍋に下茹でした大根を入れ、じっくりコトコト昆布の旨みが大根にしみるのをまちましょう。
ホクホクかぼちゃとひしほのチーズ焼き
北海道はカボチャの生産日 本一だけあってさまざまな種類のカボチャが栽培されています。
雪化粧、くりふぶき、くりゆたか、ろろん、などなど。
どれも美味しいのですが、私が好んで使うのは「坊ちゃん」というミニカボチャ。
手のひらサイズで使い切りサイズ。
皮が柔らかめなので切るのが楽なうえに味は大きなカボチャに負けず劣らずほっこり甘く、実に使いやすいカボチャなのです。
カボチャを食べやすい大きさにカットしたらバターをのせてレンジで柔らかくします。
柔らかくなったカボチャの上にひしほをのせ、そのうえにチーズをのせてオーブントースターでほんのり焼きいろがつくまでやいたら出来上がりです。
上にかけるチーズはお好みで。
今日は北海道よつ葉乳業の3種のチーズ。モッツァレラが多めの嬉しいブレンドです。
冷でいただく日本酒
焼き上がりを待ち、大根がふくふくと煮える音を聞きながら今日のお酒を準備しましょう。
熱々の大根、熱々のカボチャには(くちの中の火傷防止のためにも?)冷たいお酒が良さそうです。
キリリと冷えた純米酒を用意しました。
國稀酒造の國稀特別純米。
國稀酒造は日本最北端にある酒蔵です。
我が家からは車で1時間くらいの海辺の町「増毛」にあり、正直な味の日本酒を作っています。
さて、そろそろでしょうか。
いい感じの焼きいろになりました。大根も柔らかくとろけるくらいに煮えています。
食べましょう、呑みましょう。
気がつけば笑顔になっている
大根に内木商店のひしほをのせてパラリと柚子の皮を散らし、頂きます。
ひしほのこくと甘みが昆布だしをたっぷり吸った大根に本当によく合います。
ハフッ、ハフッ!ハフイ、あつい、お酒、お酒。
冷たい純米酒が熱さを和らげてくれます。
トロリと溶けたチーズにカボチャを絡めて頂きます。あいますねー、ひしほとチーズ。
カボチャの甘みとひしほとチーズの塩味がたまりません。アツッ!
やっぱりあついのでついついお酒に手が伸びます。
アツッ!フゥー、、、。
を繰り返しているうちに気がつけば笑っています。
美味しいものを頂くと人は笑顔になるものです。
今日は地元の秋野菜と野田の内木商店さんに感謝しつつ笑いました。
今週末には雪になると、天気予報が伝えています。
タイヤ交換も終わりました。
覚悟はできています。
次回は雪景色になっているかもしれません。