〜北海道便り12月初旬〜ねばり長芋とホタテのアーリオオーリオ
北海道にいつもよりも少し遅めの初雪が降りました。
秋蒔きの小麦もうっすら雪を被り、木々の枝も白く衣替えです。
一晩で真っ白になった朝を迎えると、ガッカリするような、でもすこし高揚するような、複雑な気持ちになります。
嗚呼、冬の到来、、、ここから長いなあ。
毎年の極寒の様を思い出し身震いすると、しかし今朝の雪は「まだ本気だしてないよ。」と言わんばかりに午前中にはすっかり溶けてしまいました。
今度はほっとするやら、くやしいやらの複雑な気持ちになりました。
弄ばれる初雪の日です。
さて、今日の午後には所要でとなり町の深川へ行くことになっていました。
雪道じゃなくて良かった、と胸をなでおろし車を走らせます。
できる限り地元の野菜を食したい私にとって、用事のついでに見て回る産直のお店や道の駅は日々の楽しみ。
深川にある道の駅も頻繁に訪れるお店です。
今年は暖かい秋だったせいでしょうか、葉物野菜もまだ地元産が並んでいました。
深川のねばり長芋
まだまだ豊富に揃うかぼちゃを眺め、その下段に見つけたのは立派な長芋。
深川はお米だけではなく、長芋の一大産地でもあり、中でも特産の「ねばり長芋」が収穫時期を迎えていました。
特に粘り気が強いので「ねばり長芋」という名がつき、味は甘く旨味のある深川自慢のおいしい長芋です。
長芋はビタミンや鉄分を多く含んでいるので栄養価が高く、疲労回復・風邪予防にもなり、冬の始まりに摂っておきたい食材です。
旬の掘りたて「ねばり長芋」を使わない手はない。
本日のメインメニューは長芋料理です。
すりおろしても、刻んで生で頂いても美味しい長芋ですが今回は焼きます。
火をいれるとしゃっきり感とホックリ感のバランスがまとまり、味よく食感よくいただけます。
今夜はホタテと一緒にオリーブオイルで焼いてアーリオオーリオにしたてることにしました。
そうなると、お伴にはワインですね。
地元のワインが充実している酒屋さんに寄ることにしました。
買ったらすぐ飲む
ここの棚に並んでいるのは全て北海道各地のワイナリーで作られているワインの数々。
山崎さんにタキザワさん、ココ・ファーム、多田農園さんにドメーヌ・レゾンなどなど。
迷った末に今日は札幌の藤野ワイナリーにしました。
藤野さんのワインは冷蔵庫保存になっています。
どのワインも亜硫酸塩が非常に少なくナチュールワインに近いので保存の仕方も重要です。
かと言って家庭用の冷蔵庫に長期間保存すると乾燥し過ぎてしまうのであまり良くない、と高橋さん(江部乙Wine)から以前伺ったことがあります。
やはり、買ったらすぐ飲む!が一番でしょうか。都合のよい言い訳です。
すぐに飲める冷えたワインを買って、今日のメニューを思い浮かべるとワクワクしてきました。
早速作りましょう。
ねばり長芋とホタテのアーリオオーリオ
材料
深川ねばり長芋 15センチくらい
ホタテ 6〜8個
調味料
塩コショウ 少々
オリーブオイル 大さじ2
ニンニク 1カケ
鷹の爪 1本
白ワイン少々
長芋は皮をざっくり(少し皮が残るくらい)むき、1センチ幅にカットします。
一緒に焼くホタテはそのまま、厚みがあるようならば2枚におろします。
長芋、ホタテそれぞれに塩コショウをふり、オリーブオイル、ニンニク、鷹の爪をいれたフライパンで焼きます。
うっすら焦げ目がついたらもう片面も同じように焼きいろがつくまでやき、ホタテに火が入る直前くらいに白ワイン少々を振ります。アルコールが飛べば出来上がり。
サイドメニューにはスモークサーモンのマリネを付け合わせることにし、食卓にアーリオオーリオ、マリネ、ワインと、さわやかな洋食の献立になりました。
まずはマリネをひとくち程よいサーモンの塩味とビネガーの酸味が染みて、これはワインにぴったりです。
グビリ、、ふっ。
長芋とホタテはどうでしょうか。
長芋がねっとり、ほっこり、しゃっきりといろいろな食感がおもしろく、ねばり長芋とホタテ、それぞれの甘味もなかなかのコンビネーション。
これもワインにぴったりです。
グビリ、、ふふっ。
藤野ワイナリーの白ワインはほんの少しだけ微発泡のような炭酸を感じるスッキリ綺麗なワインです。
これは無濾過の良さでもあります。
料理とお酒
今日も私はまたもやワインのお供を作ってしまったようです。
食べたい料理を考え、その料理に合うお酒を選ぶ。
飲みたいお酒を考え、そのお酒に合う料理をつくる。
どちらも幸せな食卓にはちがいありません。
幸せな食卓を作ってくれた深川ねばり長芋と藤野ワイナリーさんに感謝です。
ご馳走さまでした。
今日の初雪は綺麗に溶けてくれましたが、ほどなく例年どおり、どかっと降りました。
雪かき、屋根の雪おろし、冬もまた忙しい日常です。
外の寒さをやわらげてくれる暖かな料理を作っていきましょう。