〜北海道便り2月初旬~越冬ロールキャベツ
尖っていた寒さが少しだけまるくなったような気がするのは、「立春」という言葉のおかげでしょうか。
とはいえ、まだまだ冬真っ只中の北海道。
気づけば空っぽになった冷蔵庫に焦り、スーパーへ買い物に出掛けました。
ちぢみほうれん草に、なにかと便利なシメジ、ピーマン、キャベツが安売りになっています。
ロールキャベツを久しぶりにつくろうかなあ、、、。
などと思いながら買い物を済ませ、駐車場に向かっていると、バッタリ友人に会いました。
「あー!ちょうど良かった!」
「?」
「さっき越冬キャベツもらってさ、でかいから半分あげるわ。かえりにちょっと寄って!」
嬉しいし、有り難いのですが、今キャベツを買ったばかりです。
「じゃ、あとでね!」
「あ、いや、、、」
買ったばかり、と言い訳をする間を与えず、友人はスーパーに消えて行きました。
キャベツ、ダブル、、、。
ま、いいか。炒めてもナマでも漬物でも、あって困る野菜ではありません。
せっかくの好意を無碍にするわけにもいきません。
「はい!半分!」
渡されたキャベツ。
半分?これで?
えっ?
さっき購入した丸キャベツより大きいんですけど?!
どっしり、ずっしり重く、みっしり葉がつまっています。
キャベツは自己防衛により糖度をあげる
越冬キャベツ(「雪の下キャベツ」とも呼ばれる。)その名前の通り秋に収穫されたあと、雪のなかで貯蔵され冬を越したキャベツのことです。
外気温がマイナス10度を越える寒さでも雪の中は0度くらいなので最適な温度で貯蔵できます。
そこでキャベツ自身は寒さに耐えるために作り出すアミノ酸のおかげで糖度が上がり、甘さが増してきます。
「キャベツは自己防衛により糖度をあげる」ー自然の力は偉大です。
さて、いただいた、越冬キャベツ大きさもしかり、葉の厚みは普通のキャベツの3倍くらいはありそうです。
じっくり火を入れたらよさそうです。ロールキャベツにピタリ!
越冬キャベツのロールキャベツ
《材料》
ロールの中の具材 (ロールキャベツ6個分)
・合いびき肉 300グラム前後
・玉ねぎ 中1個
・たまご 1個
・塩胡椒 適宜
・ナツメグ 適宜(お好みで入れてもいれなくても)
・バター 10g
・ワイン 適宜
・ベイリーフ 2枚
・ブイヨンキューブ 1個
《作り方》
みじん切りにした玉ねぎをバターで炒めたら粗熱を取ります。
そこに合挽肉、卵、調味料をいれ丁寧に練っておきます。
次にキャベツ。まず一枚一枚葉をはがします。
越冬キャベツは通常のキャベツのように簡単にはいきません。葉の厚みに加えて巻きが密なのです。
丁寧に剥がしたつもりでも切れ目が入ってしまいますが、巻くときに工夫をすれば大丈夫。
多少切れ目が入っても、巻き込んでしまえば出来上がりに差はありません。
ひとつまみ塩をいれたお湯で茹でます。
これも通常より長めに茹でます。(何しろしっかり固く厚みもあるので)
茹であがった葉の芯の部分はカットし、先ほどのお肉を包みます。
包み終わりの部分を下にして隙間なく鍋にならべます。
隙間が出来た場合はキャベツの葉を入れて埋めて下さい。
そこにワイン(赤、白どちらでも)半カップと水をヒタヒタに入れ、ブイヨンキューブ1個、ベイリーフ、(お好みでオレガノも)も入れて煮込みます。落し蓋も忘れずに。
(※トマト味にする場合はこのとき一緒にトマト缶も入れます。ホワイトソース、デミグラスソースの場合は後入れになりますが、今日は赤ワインソースを作ってかける食べ方にするので割愛。)
普通のキャベツは30〜40分くらいで出来上がるのですが、今回は手ごわい越冬キャベツなので1時間煮込みます。
煮込み時間の間に赤ワインソースを作ります。
《赤ワインソース》
赤ワイン 1カップ
醤油 大さじ2
みりん 大さじ2
はちみつ 小さじ1
赤ワインを半量になる位まで煮詰め、残りの調味料を入れて2〜3分弱火で再び煮詰めたら出来上がりです。
(みりんの半分をバルサミコ酢にして肉料理のソースにしても美味しいです)
肉と野菜にハーブの匂いがキッチンに充満してきました。
そろそろ良さそうです。
今日はデイリーワインにちょうど良い小樽ワインの北海道ルージュ。
リーズナブルな赤ですが、きちんと料理を引き立ててくれるお行儀の良い美味しいワインです。
ロールキャベツにワインソースをタラリとかけたら切ってみましょう。
思っていた通り肉厚のキャベツに包まれ、中の肉も美味しそうな湯気をたてています。
いただきます・・・あまっ!
キャベツが想像よりもずっと甘い!
そして肉汁も吸い込み、しっとり煮上がりました。
ワインソースのほのかな酸味もアクセントになり、美味しい一皿になりました。ごちそうさまでした!
こんなにキャベツを美味しくしてくれるならば、たまには雪に感謝してもいいかな?
雪深い滝川。雪解けはまだかかりそうですが一日一日、じっくり春を待ちましょう。