スパイスカレーにあこがれて(2)
スパイスそれぞれの役割と効能
暑い夏を元気に乗り越えるために、免疫力アップほか身体にいい効能いっぱいのスパイスを使ったスパイスカレーを我が家のカレーラインナップに新たに加えたい!ということで前回はじめてのお家スパイスカレーに挑戦してみました。
はじめてのスパイスカレーは予想していたよりもはるかに手軽で本格的に仕上がりまして、ますますスパイスの奥深い世界への興味が高まりました。
今回はいよいよお家ならではの自分好みのアレンジスパイスカレーを模索していきますが、そうなると避けては通れないのがスパイスについての知識です。
500種類以上あるとも言われるスパイス、その全てを把握するのは果てしない道のりですが、その中でスパイスカレーによく使われる定番のスパイスというのがあるようです。
前回のはじめてのスパイスカレーにも使用した4種の基本スパイス
●クミン
エスニック料理などにもよく使われる、カレーの香りを支える基本スパイス。
整腸や解毒作用に効果があり、食欲を増進したり消化を促進したりします。また抗酸化作用によって免疫力を上げる効果もあるので、ガンや循環器系の病気の予防になります。
●コリアンダー
パクチー、シャンツァイ(香菜)とも呼ばれていますが、スパイスとして使うのは実の部分。さわやかな甘い香りで、クミンとともにカレーの香りの基本要素となります。発熱緩和、食欲増進、血液浄化などの効果があり、消化器系のお薬としても使われています。
●ターメリック
カレーの色味の基本となる黄色いスパイス。“ウコン“の名でよく知られています。これに含まれる成分“クルクミン“が肝機能を活性化させ、コレストロールを低下させます。また抗酸化作用による美肌効果や、たんぱく質やアミロイドβの蓄積を防ぐ効果で脳機能を活性化させ、アルツハイマー病などの予防にも効果があるとされています。
●チリペッパー
唐辛子という名前でお馴染みのカレーの辛味を支えるスパイス。辛味成分の「カプサイシン」は代謝を促進し、太りにくい身体にする効果があります。加えて美肌効果も期待できます。さらにビタミンA、Cなどを豊富に含み、活性化酸素の増加を抑える働きや抗酸化作用があります。
今回作るスパイスカレーに新たに加わるスパイス
●カルダモン
さわやかで清々しい、香りの王様とも呼ばれている高価なスパイス。以前チャイをつくったときにも使用しました。
芳香性の健胃効果があり、消化を助けるほか、油分を除く効果もあります。
●シナモン
生薬や漢方としても使われていた甘く上品な香りのスパイス。こちらもチャイづくりで使用しました。体を温める効果で血液循環を良くし、美肌効果、冷え性・むくみの防止になります。また高い抗酸化作用は毛細血管を修復してくれる効果もあるため、肌の代謝が上がり、アンチエイジングの効果も期待できます。
●ガラムマサラ
他のスパイスとは違い、複数のスパイスを調合して作ったミックススパイスで料理の仕上げの香りづけに少量使われます。シナモン、カルダモン、クローブ、ナツメグ、コリアンダー、ブラックペッパー、チリペッパーなどがその材料としてよく使われますが、種類も割合もお店や商品によってそれぞれ違うそうです。
これらのスパイスにしょうが(身体を温める効果、殺菌作用など)、にんにく(疲労回復、血行促進など)も加わることを考えると、スパイスカレーはさまざまな健康効果が期待できるとても身体にうれしいメニューだということがあらためてわかります。
あとは同じスパイスでも種や実の形で使うホールスパイスと、粉砕して使いやすくなっているパウダースパイスがあり、用途によってそれぞれ使い分けるようです。
ということで第2段階目となる今回のスパイスカレーは前回の反省を生かしてスパイスの種類と量を調整していきます。
材料に対してスパイスの全体量が多すぎてしまうとオーバースパイスと呼ばれる味のバランスが崩れた状態になってしまうそうですが、個人的には前回のスパイスカレーよりももう少しスパイスを感じたいと思ったので、計量スプーンで正確に測りつつスパイスの全体量が前回の約1.5倍となるようにしました。
また、他にスパイスカレーに合うとされる無糖ヨーグルトも加えてみることにしました。
スパイスでつくるチキンカレーライス
材料(2人分)
鶏もも肉 1枚
トマト 1個
玉ねぎ 大1個
しょうが ひとかけら(すりおろして小さじ1ほど)
にんにく ひとかけら(すりおろして小さじ1ほど)
ホールスパイス
クミン(ホール)小さじ1
コリアンダー(ホール)小さじ1
シナモンスティック 1本の半分くらい
カルダモン(ホール)小さじ1
ローリエ 2枚
パウダースパイス
ターメリック 小さじ1/2
チリペッパー 小さじ1/2
仕上げのスパイス
ガラムマサラ 小さじ1/4
その他
水 合わせて150ml (カレーベース用に100mlと仕上げ用にプラス50ml)
無糖ヨーグルト 50ml
サラダ油 大さじ2〜3
塩 お好みで小さじ1と1/2くらい
米 2合
つくり方
①下ごしらえとして鶏もも肉はひと口大に切り、玉ねぎはみじん切り、トマトは賽の目切りにする。
しょうがとにんにくはすりおろしておく。
炊飯機でご飯を炊いておく。
②大きめのフライパンにサラダ油を大さじ2ほど入れて、ホールスパイス5種を入れ弱火でじっくり炒めて油にスパイスの香りを移す。
③フライパンにおろしたしょうがとにんにく、みじん切りにした玉ねぎを入れ、中火から弱火であめ色に変わるまでじっくりと炒める。
④賽の目にしたトマト半量と無糖ヨーグルトを入れ、炒めながら混ぜ合わせる。
⑤パウダースパイス2種を入れ混ぜ合わせて火を通す。
⑥水100mlを入れ、
中火から弱火で混ぜながら全体馴染ませる。(カレーベースの完成)
⑦別のフライパンでひと口大の鶏もも肉を皮目から中火で焼いていく。
焼き色がついたらひっくり返して裏面を焼いたあと、カレーベースのフライパンに入れる。
⑧水50mlとトマトの残り半量、無糖ヨーグルト、塩、最後にガラムマサラを加えて中火で沸騰させる。
⑨混ぜ合わせたら完成。
2回目のスパイスチキンカレー
前回よりも使うスパイスの種類や量などを増やしたことでより香り高い本格的なスパイスカレーになりました。
奥深くてさわやかな香りとちょうどいい辛さで食がどんどん進みます。
ホールスパイスを使うと香りや雰囲気も含めて一気に本格感が増しますが、食べる際にシナモンとカルダモン、ローリエは時おり避けながらいただきました。
本場インドなどでも避けながら食べるのが一般的らしいですが、気になる方は③の前段階でこれらを取り除いてしまってもいいかと思います。
⑤の行程まででできたものをカレーベースとして、⑥以降で加える具材をいろいろ変えて楽しめます。カレーベースは冷蔵庫保存で3日くらい保つそうですが、今回は作ったカレーベースを全て使って2回目のスパイスチキンカレーにしてます。
はじめはおっかなびっくりだったスパイスカレーの世界も2回目の出来上がりも上々ということでいくらか自信がついてきました、というよりも、スパイスカレー自体がレシピなど少々の違いを個性として飲み込んでくれるおおらかさを持ったメニューなのではないかと思います。
ということで次回はいよいよアレンジ編、お家で本格スパイスキーマカレーやほうれん草のカレーにチャレンジします。