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~北海道便り 4月初旬~ 遅ればせながら春をいただきます

2021.04.26

春を告げるふきのとう


4月初旬、北海道はやっと雪解けでした。日陰にはまだまだ雪が残っていましたが、陽当りの良い場所は雪もなくなり、ふきのとうが顔をだしました。


北海道に越して来てはじめての春をむかえた時、沢山のふきのとうに感動したものです。

東京のスーパーで1パック398円くらいで売っている春味がそこら辺りに山ほどあり、ふきのとうは道の脇に、タラの芽は畑の奥に生えているタラノキからぽろぽろと取れます。(大抵は野鳥にさきを越されますが。)

私が狂喜してふきのとうやらタラの芽やらを採取する姿を近所のおばちゃん達は実に冷ややかにに見ていたようです。

「ふきのとう、食べるんかい?」
「どこがおいしのさあ?」
「タランボ、家のも取っていいよぉ。」

自分の母の反応も同じでした。
「ふきのとう?天ぷら?佃煮?めずらしいねぇ。」
めずらしい、と言いながら全く興味はない様子。

その理由は程なく判明します。

ふきのとうは春が過ぎるとぐんぐん伸びて、まわりには厄介なふきが密生し、もはや雑草そのものです。
とても面倒な草刈り作業が待っていました。
そうなってくると、あれだけいとおしく思えたふきのとうが翌年からはウンザリする代物になってしまったのです。
それからしばらくの間はふきのとうに愛情は持てず、調理することを辞めていました。

母の仕業


それから、3〜4年たった頃でしょうか。ある日、仕事から帰って台所をみると、ボールいっぱいのふきのとうが置かれていたのです。


「これ、どしたの?」と母に聞くと、

「いやあ、ふきのとう、いっぱい出ててさ。前に作ってくれた佃煮、美味しかったなあ、、、と思って。使わないなら投げて(捨てて)いいよ。」

どうやら母の仕業です。せっかく採ってきたふきのとう、捨てるのは忍びない。ましてや、90歳に近い老母が腰を曲げて摘み取ったとおもえば、尚更忍びない。

「いや、作るよ。」

そういえば、あのとき興味がなさそうだったふきのとうの料理を母は

「へえ、美味しいもんだねー」

と、言って、食べていた事を思い出しました。
・・・そうか、それなりに気に入ってくれてたのか・・・。

そんなこんなで今ではふきのとうを見て春が来たことを実感し、ほっこりする有り難い野草のひとつ。毎年の春限定メニューのひとつになりました。


ふきのとうの佃煮


天ぷらも蕗味噌も美味しいのですが、一番簡単なのは佃煮です。

さっと茹でたふきのとうを水にさらし、アクを抜きます。
抜ききれないアクもざっくりと旨味、と思って下さい。


酒、みりん、醤油を同量あわせたものを火にかけ、ザクザク切って水気を切ったふきのとうをクツクツ煮るだけ。
好みで砂糖をたしたり、味を整えます。

汁気がなくなりそうなタイミングで鰹節を混ぜても美味しいです。


お酒の肴に

ふきのとうの佃煮は応用が利きます。

まずはそのまま、日本酒のアテにしましょう。
一口佃煮を味わい、二口めはお酒を含みます。

にがい、エグい、旨い、まろい。

きちんと、季節を愛でる真当な人になれた気がしながらも、ついついお酒が進んでしまいます。


お豆腐ステーキのソースに

次はお豆腐に載せて頂きます。

冷奴でも温豆腐でも、淡白なお豆腐によく合います。
今日は豆腐ステーキのソースとして頂きました。

水切りした木綿豆腐に軽く片栗粉をつけ、フライパンで焼き目がつくまで焼きます。
その上に、佃煮を載せただけなのですが、きちんとソースの役割を果たしてくれます。


最後はご飯にのせて

佃煮の王道として、最後はご飯に載せていただきました。

苦味とお米の甘みが絶妙なマッチングです。

ふきのとうの佃煮ひとつ作ったことで、十二分に春を感じることができました。
残りは母にとっておくことにします。


長い冬を越え、北海道にも待ち遠しかった春が来ました。
さらに暖かくなると菜の花やアスパラなどの野菜が採れたり、旬の魚介もあれこれと楽しみは尽きません。
身体も心も豊かにしてくれる旬の食材をどうやって美味しくいただこうか、、、またの機会にお伝えできれば幸いです。

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