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料理

〜北海道便り1月初旬〜かじか汁

2022.01.12

年末から降り続いた雪も一段落。
今日は朝からスッキリと青空です。

積雪84センチまで降り積もった雪に太陽が当たってキラキラと光って美しい光景、、、ではあるのですが、気温はマイナス15度。
それでも晴れているのが嬉しく、新年初の買い物に出掛けました。

おせちとご馳走三昧でやや疲れた胃にやさしいものをつくりましょう。
消化がよくて、寒さのなかホッとするもの、汁物かなあ。
鮭の三平汁、豚汁、クラムチャウダー、ミネストローネ、、、

などと思い浮かべながら鮮魚売り場にいくと、

「あっ!かじか!」

あまり聞きなれない名前の魚ですが、北海道ではよく食べられています。
見た目は多少グロテスクですが、スズキの仲間の魚で美味しいのです。
スーパーでは切り身のパックで売られていて、すぐに調理を始められて手軽です。

よし、かじか汁にしよう!

胃に優しくてあったかくて奥が深くて、まさに今の望みにぴったり。
そうときまればあとは大根と豆腐を買って帰りましょう。
じゃがいも、人参は冷蔵庫のなかで眠っています。

かじか汁に合わせた副菜にはおせち用の塩数の子が余りを松前漬けにすることにしました。



数の子の松前漬け



北海道のスーパーには有り難いことに松前漬け用のスルメと昆布をカットしてあるものが売られています
スルメと昆布を気長にカットすればより美味しくなるのはわかっているのですが、ここは便利にカット済みのものを使います。



<材料>
・お正月に残った数の子
(薄い塩水を2〜3回取り替えながら塩抜きしたかずのこ 4本)
・スルメ、昆布 合計60グラム
・人参 1本

<調味料>
・醤油、酒、みりん 各大さじ8
・砂糖 大さじ3
・水 大さじ4
・唐辛子 種を除いたもの1〜2本

<作り方>



数の子の薄皮を丁寧に取り除き、食べやすい大きさにします。
人参は細い千切りにし、1分レンジにかけておきます。





調味料すべてを一度煮立て、粗熱がとれたらスルメ、昆布、かずのこ、人参に回しかけます。
全て密封容器(密封袋)に入れ、冷蔵庫で一晩寝かせます。
気が付いたときにかき混ぜておくと味が均一に沁みます。





お酒のあてに、ご飯のお供に大活躍の数の子の松前漬けが出来上がり。



かじか汁


<材料>

・かじか切り身 1パック
・大根 4分の1本
・人参 1本
・じゃがいも 2個
・豆腐 (小)1パック
・長ねぎ 適宜

<調味料>
・味噌 適宜
・酒 大さじ4

<作り方>


かじかは熱湯をかけ生臭みをとっておきます。
大根、人参、じゃがいもいちょう切りにし、出汁1800ccで煮ます。





野菜に火が入ったらかじかと酒を入れ、3〜4分煮ていきます。
このとき浮いてくるあくは丁寧に取り除きます。





味噌汁くらいの味を目安に味噌、豆腐を入れ、最後に葱を散らして完成です。




温かいうちに頂きましょう。
昨日の松前漬けを酒のアテに温かいかじか汁と日本酒です。

今日のお酒は北海道ではなく秋田の「雪の茅舎」。
もう20年ほどはことあるごとに飲み続けている純米酒です。
珍しく茅舎の山廃を見つけたので、年末に買っておきました。
さてさて山廃をひと口、、、米の甘みをストレートに感じます。
疲れているはずの内臓が元気になりそうです。




鍋壊し


かじか汁のお出汁を一口、

「はぁーしみるぅー」

かじかの繊細な出汁がしみじみ沁みます。
そしてかじかの身を一口。

ふっくらやわらかい身を味わうと同時に獰猛な小骨が口のなかに戦いを挑んできます。

かじか汁、かじか鍋、は別名「鍋壊し」とも言われているそうです。
「あまりの美味しさに(かじかを探して)鍋をつついて壊してしまうほど」の意味らしいです。
なるほど、納得の旨さです。

松前漬け、、数の子のコリシャク感がたまりません。
「さぁもう一口酒を」と催促されてしまいます。

かじか汁におろしショウガを入れて味変して一口食べてみます。
スッキリとしてうまい。またまたお酒がすすみます。

かじか汁をいれた器は三平皿です。
道南地方の郷土料理、三平汁を盛り付ける器ということでそう呼ばれています。
三平汁はサケ、タラ、ホッケなどの塩漬けや粕漬けと野菜とを煮込んだ汁もののことですが、他にもなんでも冬野菜と一緒に汁物にしてしまう道民には欠かせない食器です。


外はまたマイナス12度まで冷え込み、明日の朝はマイナス20度を超えそうです。
まだまだ長い冬ですが、少しでも温かな料理を作っていきましょう。

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