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料理

〜北海道便り1月下旬~スープカレー

2022.01.24

1月下旬。
最低気温マイナス18度。
最高気温マイナス4度。
「明日もこの季節らしい気温となる見込みです。水道凍結に気をつけてお過ごしください。」

天気予報の結びが、定型文のように繰り返されているこの季節。
湯船に体を沈めた途端、「あ~!冷えてたあ~!」と再認識するこの季節。

もう、細胞から暖まるご飯が食べたい。
本日はスープカレーです。




はじめてのスープカレー


20年ほど前、初めてスープカレーを食べた時は「新しい」と「懐かしい」の相反する感想でした。

食べ慣れているルゥカレーとは別物のサラッとしたカレー味のスープにはそのままのスパイスが浮かび、素揚げされたゴロゴロ野菜がてんこ盛りです。
そして、丸ごとの骨付きチキンモモ肉がどーん!

まずビジュアルが衝撃的でした。
北海道らしい豪快な料理にも思えますが、もしかして大雑把な感じ?

多少疑心暗鬼になりながらまずはスープをひと口、、、

「あれ?美味しい!新しい!」

と、スープに衝撃を受けました。
そしてスパイスの奥にあるベースに懐かしさを感じたのです。
鶏がら、昆布、鰹?ラーメンスープ?(あくまで個人的な感想ですが)昔ながらの澄んだあっさりスープが隠れているような気がします。




鶏がらスープの食文化


北海道の家庭料理には鶏ガラ出汁がよく使われます。
例えばおせち料理のお煮しめ(北海道ではうま煮〈旨煮〉とよばれます)は、鰹節と昆布出汁だけではなく、鶏がらもいれた出汁でひとつひとつの具材を煮ていきます。
なんなら残りの出汁で年越蕎麦のつゆも作ってしまいます。

近隣の美唄では鶏モツをランダムに刺した「美唄焼き鳥」と鶏がらスープでご飯を炊き上げた(具材は鶏肉と玉ねぎのみ)「鶏めし」が地元のソウルフードであり、名物料理として道民に愛されています。
寒さに凍える体に動物性の脂肪をとりいれることで、冬を耐え忍んだのでしょうか。

素人考えですが、スープカレーが北海道で当たり前のように広まった背景にはそんな鶏がらスープ文化があるように感じます。



スープカレーの作り方

基本の材料 2〜3人分
・手羽元  8本くらい
・ニンニク、生姜  各2かけ
・玉ねぎ 大1個
・トマト 大1個

<調味料・香辛料>
・カレー粉 大さじ3
・ガラムマサラ、コリアンダー、クミン、チリペッパー 各大さじ3
・ベイリーフ、ワイン、塩、ブイヨンキューブ、醤油、ケチャップ適宜

トッピングの野菜
どんな野菜でも。
今日はカボチャ、シメジ、ブロッコリー、ピーマンですが、その他、牛蒡、蓮根、椎茸、茄子、大根、じゃがいも、などなどありとあらゆる野菜をトッピングすることができます。



作り方


スパイスはパウダーではなく、シードの場合はすり潰しておきます。




スープカレーはコンロ2口を同時に使います。
最初に手羽元に塩コショウをふり、サラダ油をひいたフライパンで焼いていきます。
焼き色が付いたら、ワイン、かつお出汁を合わせて1200ccほど入れ、ベイリーフ、ブイヨンキューブを1個、(今日の出汁はカツオだけなので)昆布も入れて煮込んでいきます。




別の鍋(もしくは深めのフライパン)にすりおろしたニンニク、生姜をいれ、玉ねぎも入れてじっくり炒めます。
玉ねぎが茶色っぽくなったところにトマトも入れ再度炒め、カレー粉、スパイスを入れ、炒めていきます。




野菜と香辛料の香りが立ってきたあたりで鶏の鍋の方もだいぶ煮えてきました。





鶏と野菜の鍋を合わせて、塩小さじ1、醤油大さじ1、ケチャップ大さじ2をいれ、弱火で30分ほど煮詰めます。味をみて薄いようなら塩を足し、コクが足りないようならバターをひとかけ加えて下さい。





煮詰めているあいだにトッピングの野菜を切り、素揚げ(もしくは揚げ焼き)にしておきます。



器にスープカレーを注ぎ、トッピングの野菜をのせたら完成!

せっかく時間をかけて作ったスープカレー、地ビールを開けることにしました。

私の住む滝川市でも地ビールがつくられています。(とても美味しいのですが、やや値段が高めなので)デイリービールにはしていませんが、「今日はとっておき!」の日には飲むビールです。

早速頂きましょう。
まずはビールを一口。
空知エールは大麦、空知ヴァイツェンは大麦の他に小麦も使われているクラフトビールです。
やや濃いめの色なので味も濃そうな感じに見えますが、意外なほど口当たりはさっぱりしています。
苦味もほどよく、どこか枯れた感じが美味しいビールです。

そしてスープをひと口。
「うーん、美味しい!」

鶏がらから出汁をとる手間を省いたやや手抜きスープカレーではありますが、いやいや、味は本格的になってます。
じっくり煮こんだ手羽元から溶け出した旨味、そしてスパイスの香りが俄然食欲をそそります。
肉はホロホロ、野菜の甘みが引き立つスープ。

スプーンにご飯をのせて、スープにくぐらせまた一口。
そこにビール。

はぁ~!美味しい!身体の芯までホカホカにあたたまりました。




少々時間はかかりますが、難しい工程はなく、意外と簡単に作れる「スープカレー」。
ぜひお試しくださいね。
あたたかいごはんで寒い冬を乗り切りましょう!


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