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〜北海道便り 7月中旬〜すぐりピーマンと北海タコ

2021.07.20

隣町で農家を営む従姉から「ピーマンがとれはじめたよ」と連絡がありました。
彼女は大きな20棟のビニールハウスでカラーピーマンを栽培しています。

果物や植物をを育てる際の摘果や摘芯と同じく、カラーピーマンは色を付ける前の緑の実を間引きする作業があります。
栄養分を分散させないようにして大きな実を育てるには欠かせない大事な工程です。

このときに摘み取られた緑のピーマンは「すぐりピーマン」と呼ばれ、未熟果とはいえピーマンとして遜色なく、甘く柔らかく香りも良く美味しいピーマンなのです。

天気もよいし、早速見学がてら伺うことにしました。



すぐりピーマンを求めてハウスの中にはいります。
思った以上にハウスは広く、聞くと、1棟の全長は65mだそうです。



大きく育ったつやつやの葉に隠れるようにピーマンが沢山育っています。
この中で選ばれたピーマンは1ヶ月後にはそれぞれ赤、黃、橙の鮮やかな色がつき、ハウスの景色は華やかになるとのこと。




色づく前の緑のまま摘み取られ、選ばれなかった「すぐりピーマン」。
今日のメニューの主役です。




合わせる食材は帰り道に立ち寄った魚屋さんで手に入れたオホーツクの北海タコ足です。
今日はこのタコ足とすぐりピーマンでビールのつまみを作ることにします。



タコザンギ


昨今道外でも広く知られるようになった北海道料理の「ザンギ」。
いわゆる鳥の唐揚げをさしますが、それにならってタコを唐揚げした場合は「タコザンギ」となります。
素揚げのすぐりピーマンに塩コショウをふってタコザンギの横に並べたら彩り豊かなつまみになりそうです。
北海道にしてはかなり暑かったこの日、早くビールが飲みたいところ。
早速調理にとりかかります。


作り方

タコ足のゼリー状の部分は取り除き(お好みで)一口大にカットします。
下味は酒、醤油でつけておきます。


タコにはそもそも海の塩味がついているので、漬け込む時間は15分くらいで充分です。
生姜の絞り汁を入れることもありますが、今日はあまりに立派なタコでしたのでそのものの旨味を優先するため入れませんでした。

タコに片栗粉をまぶして油へ投入。
高温で短時間、がコツです。
長く揚げるとタコが固くなってしまいます。


すぐりピーマンは一口大にカットし、なにもつけずにサッと素揚げにし、塩コショウをふっておきます。



ピーマンのポン酢和え


箸休めにもう一品、超簡単な和え物をつくります。
細めに切ったピーマンを軽く電子レンジで火をいれ、(500Wで1分~1分30秒)小さく切ったタコとレモンも合わせてポン酢とごま油で和えました。
揚げ物メインの箸休めに丁度よいさわやかな味わいです。大葉を散らしてもよいですね。



たべる直前にタコザンギにお好みでレモンをひと絞り。
タコをパク!ピーマンもサク!ビールをクピ!

タコの歯ごたえとピーマンの甘みが腔内幸福をもたらし、それをビールの流し込みます。
絶妙のバランスでそれぞれの旨味が引き立っています。

「クゥ~、、!プハァ〜、、!」

言葉にならない擬音が思わず飛び出し、
タコザンギの油分をビールの炭酸で洗い流すと、

「食べらさるー!」

と、思わず北海道弁が出て来ます。
「タコザンギ、食べらさるわ」は「たこ唐、ついつい食べちゃうよね」といった意味になります。
ビールとタコザンギがあれば暑い日も食欲が落ちることなく、乗り越えていけそうです。
タコとすぐりピーマン、たった2種類の素材ですが、充実した初夏の味わいでした。



本日いただいたピーマンのハウス近くでは蕎麦も植えており、ちょうど蕎麦の可愛らしい白色の花が咲き始めていました。
この花のひとつひとつが蕎麦の実になり、秋には新蕎麦となって、舌を愉しませてくれると思います。

畑の風景、野菜や花々の生き生きとした様子を見ると、毎日毎日、作物を慈しみ丹精こめて育てられていることがわかります。
あらためて農家さんへ頭が下がる思いです。ありがたく、ごちそうさまでした。

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