〜北海道便り 6月下旬〜姫竹の煮物と炒め物
6月、北海道の風景は緑のグラデーションが美しい季節になりました。
近所の畑にはハルユタカの小麦の黄緑色が広がって気持ちのよいこと!
たけのこ ささのこ
この季節、北海道では「たけのこ」が出回ります。
一般的に「たけのこ・筍」は孟宗竹の若芽のことをさしますが、北海道では姫竹のことを「たけのこ」と呼びます。
別名、ネマガリダケ、笹竹とも呼ばれる千島笹の若芽で、”竹の子”ではなく、”笹の子”です。
姫竹の大きさは孟宗竹の筍が手のひらサイズとすると、小指くらい、ちょうどアスパラ2本分くらいで細く小ぶりです。
香りや食感は筍に似ていますが、特有のエグみは全くありません。
調理方法は煮物、炊き込みご飯、天ぷらなどで頂きます。
一年のうち6月の一ヶ月間だけが旬ですが、道民のしっかり者は瓶詰めにして保存します。
お祭りのちらし寿司の具にしたり、お正月の煮物(うま煮)にも欠かせない食材となります。
さて「たけのこ」は山に入らなければ採取出来ない貴重な山菜。
束の間、地元の直売所や道の駅などでも購入できますが、この時期運が良ければどこからか届きます。
いやいやあ、いいとこきたねー
ちょっとした用事があり、でかけついでに町内会の会長宅へ伺ったところ、、、
なんと玄関には採りたてのたけのこがわんさかと!
あたり!ほらほら、この時期どこかしこにはあるものです。
「いやいやあ、いいとこきたねー。今日たけのことりに行ったんだわ。
途中で雨降ってきたからたいして採れんかったけど、少し持ってきな」
「ええ〜いいんですか~(やったぜ!やったぜ!)」
遠慮した振りをしつつ、しっかりいただいてきました。
さっそく下ごしらえ
まずは茹でます。
筍と違い、ぬかも唐辛子もいりません。
水からゆでて、煮立ったら10分ほどで茹で上がります。とても手軽です。
皮をむき、水と一緒に保存袋にいれておけばいつでも調理できます。
水を変えて冷蔵庫にいれておけば10日ほどは持ちます。
さらに大量にある場合は瓶詰めにして、瓶ごと煮沸しておけば1〜2年は保存可能。
ここまでやってから、さて、せっかく頂いた貴重なたけのこをどう調理したものか。
たけのことさつま揚げの煮物
まずは煮物からオーソドックスに煮物にします。
あわせる食材はさつま揚げにしました。
(ローカル情報ですが、このさつま揚げ、北海道のローカルコンビニ「セイコーマート」のレジ横で揚げたてで売られている商品。一枚98円でなかなかおいしいのです。)
出汁、酒、みりん、砂糖、醤油でにさっと煮つけます。
いわゆる甘辛のだし汁にさつま揚げの風味が移り、たけのこへ染み込みます。
風味ゆたかな煮物ができました。
たけのことザーサイの炒め物
残りのたけのこはザーサイと一緒に炒めて常備菜にしておきましょう。
材料
・ザーサイ(ホール)
・たけのこ
・豚肉
この他、中華炒めに欠かせない香味野菜のニンニク、ネギ、ショウガも準備しておきます。
作り方
ザーサイの塩抜きから取り掛かります。
薄くスライスして、時々水をかえなが約40〜50分。
塩加減を味見しながら、まだしょっぱいかな?くらいがめやすです。
今日は時間短縮のために千切りにしてから塩抜きしました。
豚肉、たけのこもおなじように千切りにしておきます。
豚肉には酒、塩、生姜の絞り汁で下味をつけておきましょう。
あとは炒めていくだけ。
サラダ油をひいたフライパンにニンニク、ネギ、生姜のみじん切りを炒め、香りがたったら豚肉、たけのこ、ザーサイを炒めてあわます。
最後に鍋肌から醤油を軽くひとまわししたら出来上がり。
ザーサイに残した塩味で調味料は完成しています。
そのままおかずにしても、ご飯にのせて、チャーハンの具として、いろいろな食べ方で楽しめます。
翌日のランチにおもいつきで作ったシーズン終わりのアスパラチーズリゾットと一緒に頂きましたがイタリアと中国のコラボは意外にマッチ。おいしくいただきました。
短い夏の始まり
ランチのあとはお天気もよかったので石狩川を眺めに。
岸辺の樹木の濃い緑の影を写しながらゆったりと流れていました。
北海道の短い夏が始まります。