ベジブロス(野菜だし)のレシピ
ベジブロスとは
ベジブロスは、野菜だけでとっただしのことです。動物性の素材を使わずに、野菜だけで滋味深いだしがとれます。スープや煮物のベース、野菜炒めの隠し味などに使うことで、よりうまみのある料理ができます。
ファイトケミカル(フィトケミカル)を効率的に摂れる
ファイトケミカルは、野菜や果物に含まれている成分です。
これは、野菜が紫外線や虫から自らを守るために作り出した成分で、抗酸化作用や免疫力をあげる効果があるとされています。
野菜の細胞内にあるファイトケミカルは、加熱によって細胞外へ溶け出す性質があります。ベジブロスは野菜を弱火で煮込んで作るので、ファイトケミカルを効率的に摂ることができます。
ベジブロスで組み合わせる野菜
ベジブロスの材料となる野菜には、それぞれ役割があります。
配合のバランスを考えるときの目安になるので、知っておくと味をととのえやすくなります。
トマト、きのこ
うまみを出す役。それぞれ異なるうまみ(アミノ酸)成分を持ち、合わせると味が複合的になる。
きのこは、ぬめりのあるものは使わない。夏~初冬はミニトマト、冬の終わり~初春は普通サイズのトマトを使うとよい。
ユリ科の野菜(玉ねぎ、長ねぎ、にんにくなど)
野菜全体の引き出し役。
香味野菜(玉ねぎ、セロリ、にんじんなど)
香りを出し、味のベースを作る役。味見して、ベジブロスの酸味が強い場合は、途中で生の玉ねぎを加えてみる。
アブラナ科の野菜(キャベツ、かぶなど)
味を深め、コクを出す役。キャベツは内側の葉を使う。分量は多すぎないようにする。
秋冬野菜のベジブロスレシピ
秋冬は旬を迎える野菜が多いので、味を出しやすいです。今回は油で野菜を炒めず、クリアですっきりとしたベジブロスに仕上げます。油を使わないので、和風の煮物にもそのまま使えます。
できあがったら、ペットボトルなどに入れて冷蔵保存か、小分けにして冷凍保存もできます。
- マッシュルーム…4個(60g)→ふたつ割り
- しいたけ…2枚(30g)→1/4にカット
- しめじ…30g→小房に分ける
- にんにく…1片→皮をむき丸のまま
- 玉ねぎ…1個(200g)→縦半分に切る
- セロリ…20g→乱切り
- にんじん(皮つき)…50g→乱切り
- かぶ…100g→軸をとりふたつ割り
- 長ねぎ(白い部分)…25g→ぶつ切り
- しょうがスライス…1枚
- トマト…1個(100g)→ヘタを取り縦半分に切る
- キャベツ(中心)…100g→大きいざく切り
- ローリエ…1枚
- 黒こしょう(粒)…3粒
- 塩…ひとつまみ
- 浄水…2ℓ
材料(1ℓ~1.5ℓ分)
【A】最初に入れる野菜
【B】後で入れる野菜
作り方
- 野菜を大きめに切る(大きさの目安は、上記の各材料の横に表記)
- きのこ、にんにくをフライパンでから炒りする
- 厚手の鍋に水と2を入れて沸騰させる
- Aを加え、強火でひと煮たちさせ、アクをとり、弱火で30~40分煮る
- Bを加え、1時間~1.5時間煮る
- 野菜が沈みはじめたら、塩で味をととのえる
- 濾す。さらしの布を使うときれいに濾せる
野菜に透明感が出て、玉ねぎ、キャベツのにおいが消えたら、味をみて下さい。
弱火で煮込んでいる間に旨みが出てきているのが分かります。
まとめ
ベジブロスは、野菜本来の素材のうまみを味わえるだしです。
抗酸化作用や免疫力をあげるファイトケミカルなどの栄養にも優れ、さまざまな料理に展開できるので、ぜひ作ってみて下さい。
参考文献:内田悟(2012)「内田悟のやさい塾 秋冬 旬野菜の調理技のすべて 保存版」株式会社メディアファクトリー