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カリンで冬支度

2021.11.29

朝晩を中心に日ごと寒さが増してきまして、いよいよ冬本番が迫って来ていることを感じます。

それに伴って我が家でも各部屋のオイルヒーターや加湿器などいそいそと冬支度が整えられつつありますが、今回はたまたま青果店で見つけたカリンを使って冬の健康管理に役立つあれこれを仕込んでいきたいと思います。

漢方では木瓜(もっか)という名前のこのカリン、主にポリフェノールのはたらきで咳や痰の症状を軽くしてくれたり、風邪やインフルエンザの予防にも効果があるそうです。

それならばぜひ積極的に食卓に取り入れていきたいところですが、洋梨に似ていておいしそうな外観にも関わらず、カリンは実が固くてアクが強いため生食にはまったくと言っていいほど向いていません。
やわらかくてさわやかな香りがするので、芳香剤がわりに部屋に飾って楽しむのもいいそうですが、せっかくなので果実酒やシロップなどでカリンの効能も感じてみたいと思いまして、仕込み方などをいろいろ調べてみました。


今回はカリン酒カリンの蜂蜜漬けカリンシロップをつくってみます。





皮ごと使うもの、実を使うものとありますがまずは下準備としてカリンをしっかり水洗いしていきます。
市場に出回るものは熟し切る前に出荷されるものが多いため、ものによっては追熟が必要らしく、香りがしっかりとたってきて全体が黄色くなり、表面が少しベタベタとしてきたら完熟のサインのようです。



カリン酒


材料
カリン 2個(1つ200gぐらい)
果実酒用ブランデー 700mlほど
氷砂糖 120g

保存用瓶(約1リットルのもの)





カリンは約5mmほどに皮ごと輪切りにしていきます。熟しても実は固いため怪我に気をつけて包丁を入れていきます。
煮沸消毒した瓶に種ごとカリンを入れていきます。瓶が大きい場合は少量のブランデーを瓶内で回して滅菌します。





隙間に氷砂糖を入れていきます。氷砂糖の量はお好みで、中にはまったく氷砂糖を入れないレシピもありましたが、だいたいお酒の量に対して5、6分の1の分量のレシピが多かったため今回は120gとしました。

瓶に果実酒用ブランデーをカリンが被るくらいまで注いでいきます。以前梅酒をつくった際にブランデーベースのものの方が好みだったためブランデーを使っていますが、ホワイトリカーでもいいと思います。

蓋をして完成!

・・・なのですが、当然のことながらここから時間をかけてじわじわとカリンの成分がブランデーに滲み出てカリン酒となっていくわけでして、味見できるのは早くて1、2か月後、実を取り出すのは半年目安だそうです。
たまに瓶を回して中身を混ぜてやるといいそうで、しばらくキッチンカウンターの端に置いて期待を膨らませながら世話していこうと思います。




カリンの蜂蜜漬け


材料
カリン 1個弱
蜂蜜 適量(瓶に合わせて)
小型の瓶
出汁用パック





大まかな要領はカリン酒と同じですが、蜂蜜漬けの場合は皮をむいてからカリンを縦に4つ割りにし、種やワタをとり、3~5ミリ厚さのいちょう切りにしていきます。

この皮や種、ワタの部分にも薬効成分が多く含まれているので、一緒に漬けるため皮と種とワタは出汁用のパックに適量入れます。




煮沸消毒した瓶にいちょう切りしたカリンの実と皮種ワタの出汁用パックを入れて、瓶の口あたりで浸かるくらいまで蜂蜜を入れたら完成です。





こちらは常温で10日から2週間ほどで漬かるそうで、カリン酒の横で同じくたまに転がして世話していきます。





カリンシロップ


材料
カリン 2個(1個200gぐらい)
グラニュー糖450g
水 1,5ℓぐらい
保存用瓶

シロップについても前述のカリン酒や蜂蜜漬けのように漬け込んで熟成していくやり方があるようですが、つくってすぐに楽しめるものも用意したいということで今回はカリンを煮出してつくるやり方にしてみました。





蜂蜜漬けの時と同じように皮をむいて縦4つにしたあと、種とワタを取り除き、3〜5mmでいちょう切りしていきます。

まずは皮と種とワタを鍋に入れて700mlほどの水を入れ弱めの中火で煮出していきます。





とろみが出てきたら火を止め、別の鍋に漉して皮種ワタを取り除きます。





これにグラニュー糖、いちょう切りしたカリンの実、800mlほどの水を加えて再び弱めの中火でじっくり煮出していきます。






沸騰したらアクを取り除き、半量から3分の1くらいまで水が減るまで煮ます。
水分が減っていくとともに鮮やかに赤く変色してきました。





火を止めて粗熱を取り、濾しながら瓶にいれて完成です。

いろいろなものと割って使えますが、この時期のおすすめは適量のお湯で割ったホットカリンです。

美しく透き通った茜色のホットカリンはさわやかな香りと適度な酸味と渋みで、カリンとグラニュー糖と水だけでつくったとはとても思えないバランスのいいおいしさ!

シロップが出来てからこれを執筆している今日までなんだかんだと日々のコーヒーや紅茶の合間に愛飲するようになりましたが、癖になる味わいでとろりと喉にもよさそうで、あっという間に消費してしまいそうです。

固めのカリンを切っていくのは少々大変ですが、あとはそれぞれとても簡単にできました。




時間差で完成する蜂蜜漬けとカリン酒も今からたのしみです。

そろそろカリンのシーズンも終わりごろですが、まだお店に並ぶこともあるようで、実はカリンシロップをリピートするためカリンを探してチラチラと青果店を物色したりしています。

冬支度 おいしさ余って カリン足りん (字余り)

もしお店などで見かけたらぜひ一度お試しになってください。

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