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お鍋の季節になりました

2020.10.20

朝晩と気温がぐんと下がりはじめ、部屋着も半袖から一枚羽織るようになり、窓から見える夕焼けもより朱く感じられる、そんな季節になってきました。気温が下がってきた、ということはつまり、ほどなく今年も本格的なお鍋のシーズンが到来、ということになります。

冷えてしまった身体も心もぽかぽかあたたまるうえに、使う食材やスープによって様々なバリエーションを気軽にたのしめ、なおかつその具材の選択によって栄養のバランスをも取りやすい、そしてなにより手早い、とここまで揃っていると、もう春が来るまでずっとお鍋でいい!というのは少々言い過ぎでも、おそらく今シーズンも頻繁なローテーションとなるのは確実で、土鍋にはまたたくさんお世話になりそうです。

いつも定番の味付けやその年の流行り鍋など、お鍋事情は各ご家庭それぞれによって個性の出るところですが、寄せ鍋でも、味噌仕立てのお鍋でも、おでんであっても、共通してお鍋のスープの基本となるのは“だし”です。

この“だし”において近年一気に台所に浸透したものといえば、いわゆる“だしパック”ではないでしょうか。例にもれず我が家のお鍋でも大活躍しています。

“だしパック”とは鰹節や昆布、煮干しなどの乾物が粉末状になって一回分にまとめられたもので、これをお水を張ったお鍋にポンとひと袋投入し煮出すだけで、誰でもおいしい”だし”がつくれるというとても便利な代物です。お鍋においても充分にうまみのベースを担ってくれます。とても扱いやすい割に香りや風味がよく、また市販の鍋つゆや顆粒だしに比べて塩分をコントロールしやすいという点も日々のお鍋のベースにうれしいところです。

特に時短したいときや特徴的な濃い味のお鍋に焦がれてしまう日などは市販の鍋つゆもありがたく利用させてもらいますが、通用はこの“だしパック”からとった“だし”のスープを使ってのさっぱり寄せ鍋をぽん酢でいただくのがうちの定番です。

ですが、実はそうしてありがたく使わせてもらっていながらも、ぐらぐらと煮えたお鍋と共に、漠然とした疑問もふつふつとわいていました。

それは、“ちゃんと煮出しただし”お鍋と“だしパック”お鍋は、お家レベルで果たしてどのくらい味の違いが出るものなのか?という疑問です。

料理の職人でもない私のようなただの一般人が、普通のスーパーなどに並ぶ普通の“だし”用食材を使って見様見真似で煮出し、合わせた“だし”と、お手軽な”だしパック“を使った”だし“とでは、そのかかる手間の差に対して一体どのくらいお味はグレードアップするのでしょうか。

外食でいただける随所にこだわった本格的なお鍋のおいしさはまた別格ですし、たとえお家であっても“ちゃんとだし”には相応の格の違いを出してほしいところですが、片や高いポテンシャルを常々感じている“だしパック”もなかなかいい勝負をしてくれるのでは?と勝手に予想し、それならばということで、今回実際にやってみることにしました。

さまざまな“だし”をとるために


用意したのはすべて普段から利用しているスーパーで購入したもので、価格も手ごろなものを選択。”だしパック“は普段使っているものと同じものを。

化学調味料不使用で、パッケージ裏の成分表には昆布、鰹節、にぼし、椎茸、あじ、とあります。売り場に”だし“用のあじがなかったため、残る4種を揃えました。

並んだ昆布、にぼし、花かつお、干し椎茸、だしパック

普段からちゃんとだしをとっている方にとってはごくごく当たり前の材料たちなのかもしれませんが、スーパーの乾物コーナー初心者の自分にとってはなかなか壮観な並びです。中身を気にせず使っていた“だしパック”にはこれらの食材が使われていることをビジュアル的に実感しました。

その“だしパック”の方は袋を開けてみました。粉末状になってブレンドされていて、各種材料の配分はわからないため、合わせだしのほうのバランスは自分の大雑把な舌に頼らざるを得ずさっそく不安になりましたが、とにかくまずはひとつひとつ“だし”をとっていくことにします。

各種“だし”をとってみた様子や“だしパック“との比較、おいしいお家お鍋ができるまでの続きは記事後半にて。

(後編はこちらから)

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