アレルギー・アトピーにもやさしい洗濯のコツ
皮膚への刺激を抑えるために、衣服はいつも清潔に保ちたいものです。今回は、アレルギーやアトピーの方にもやさしい洗濯のコツをご紹介します。
家庭で洗濯するときのポイント
新しい衣料は、着る前に一度洗濯をする
新しい衣料には、加工処理剤が付着しています。ホルムアルデヒドなどは、洗濯してしまえばある程度取り除けるので、ぜひ最初に洗濯をして下さい。着用の際、汗などによって溶け出し、皮膚障害を起こすのを避けられます。
汚れた衣服はすぐに洗う
汚れたままの衣服は、ダニ、カビ、細菌の温床になりやすいです。汚れたらすぐに洗濯する習慣をつけましょう。
洗濯物は十分に乾燥させ、できるだけ日干しをしましょう
菌を繁殖させないためにも、洗濯物は早く乾かしたいものです。日光の除菌効果を活用し、着心地のいい衣服を維持しましょう。
合成洗剤ではなく、粉石けんを使う
石けんは冷水では溶けにくいので、ぬるま湯でよく溶かして使うと洗浄力を発揮します。また、すすぎは十分に。漂白成分が入っていないので、洗い上がりの白さは洗剤より劣りますが、その分、肌にやさしいです。
家庭用柔軟剤は使わない
衣料製品に使用されている化学物質とほぼ同じ成分が使用されているので、できるだけ避けましょう。柔軟剤が乳幼児のおむつかぶれの原因になっていることもあるので、注意して下さい。
ドライクリーニングの上手な利用法
ドライクリーニングは、揮発性の有機溶剤を使う洗濯方法です。石油系溶剤がもっとも広く使われています。油性の汚れを落とすのが得意で、水洗いできないものに適しています。特性を理解して、活用しましょう。
クリーニングから戻ってきたらすぐに着用せず、風を通す
石油系溶剤は蒸発しにくいです。クリーニングから戻ってきたら、ポリ袋を外して風を通して下さい。臭いがするときは、裏返して風通しのよい日かげに干し、乾燥させましょう。
汗をかきやすい時期は水洗いできる素材を
ドライクリーニングは、油性の汚れを得意とします。汗などの水に溶ける汚れは、すぐに水洗いすれば、簡単に落とせます。汗をかきやすい夏の衣服は、クリーニングに頼らない「水洗い可」のものを購入することも大切です。
衣服のしまい方
衣服をしまうときに大事なのは清潔と乾燥です。以下のポイントを参考にしてみて下さい。
- 必ず洗濯し、密閉できる容器にしまう
- アレルギーの人は防虫剤をなるべく使用しない
- 乳幼児衣料、アレルギーのある方、アトピーの方の下着や寝衣は別の容器にしまう
ホルムアルデヒドは繊維に吸着されやすく、加工品から出たホルムアルデヒドが、無加工の衣服にまでついてしまうこともあります。皮膚が敏感な人の衣料は、他のものと分けて保管するとより安心です。
基本を守って肌を守ろう
雨の日が続くときもあれば、忙しくて洗濯まで手が回らないときもあります。しかし、洗濯は清潔な毎日を送るためにかかせないもの。いつもできるだけきもちいい衣服で過ごせるように工夫しましょう。
参考文献:アレルギーネットワーク編(2000)『アレルギーの快適生活』風媒社