〜北海道便り12月下旬〜えべおつWeinとローストビーフ
12月下旬。待ちに待った連絡が入りました。
「お待たせしました。やっとワインが出荷できます。」
地元のワイナリー、えべおつWeinの高橋さんからでした。
醸造4年目、発足当時から熱い期待を寄せ、昨年からは葡萄の収穫を手伝わせていただいているワイナリーです。
(以前にえべおつWeinをご紹介した記事はこちらです。)
今回出荷されるワインは昨年収穫した葡萄から作られており、つまり、ほんの何パーセントかは自分が収穫した葡萄から作られたワインということになります。
今年はより一層いとおしく、ワインの出来上がりを待ち焦がれていました。
寒さで萎みがちだった気持ちがウキウキ。
今すぐに取りに行きます!
冬のヴィンヤード
ヴィンヤードへ到着すると目に入ってきたのは枯れ木の山?
葡萄の木は剪定作業が終わったところで、これは取り除かれた枝たちです。
こちらが本体。
触ってみても水分はあまり感じられずこちらも枯れ木のように見えます。
えべおつWeinの高橋さんに話を聞くことができました。
この時期の葡萄の木は樹液が根元に集まるために枝先の水分はとても少なくなるそうです。
これはは厳しい冬に備えているためで、枯れ枝のように見えていても、葡萄の木は間違いなく生きて成長していて、横になりながら雪を被り、じっくり春を待つとのことでした。
北海道の葡萄の木
元々葡萄の木は長い寿命をもつ植物です。
その寿命は50年とも100年とも言われていますが、ヨーロッパでは200年にもなる木があるとのこと。
ただ日本は高温多湿の気候条件があり、そこまでは生きられないと聞きました。
湿度に弱いのなら北海道は栽培に向いているのでは?と単純な私は考えてしまいますが、最近は北海道も温暖化が進み、今年の夏は北海道らしからぬ猛暑が続きました。
地質の問題もあり、一そう上手くはいかないそうです。
高橋さんの真摯にワインに向き合うお話に聞き入りつつも、実はいま手渡されたワインに高揚しっぱなしでした。
うれしい!ありがとう!えべおつWein!
待ち焦がれた、えべおつWeinの2020
何しろ待ち焦がれておりました。
えべおつWeinの2020。
飲みたいのです。
一刻も早く飲みたいのです。
どんな出来になっているのか確かめたいのです。
気持ちははやりますが、ここは一旦落ち着いておいしくワインをいただけるメニューを考えましょう。
まず、ワインは白と赤どちらにするか。
・・・赤!
赤ワインが飲みたい!
となると、、、一番先に思い浮かんだのはローストビーフでした。
年末年始の食卓にも丁度よい!ということで決定です。
フライパンで作るローストビーフ
選んだお肉は士幌町の高原牛。
交雑種なのでリーズナブルな価格ですがしっかりとした歯ごたえの赤身はローストビーフにぴったりです。
お肉の重さは420グラム。
オーブンを使わずフライパンでまとめるにはよい大きさです。
《材料》
牛もも肉塊 400~500g
玉ねぎ 1個
人参 1本
セロリ 一茎
《調味料》
塩コショウ
赤ワイン 50cc
醤油 120cc
みりん 50cc
オリーブオイル
お肉は必ず室温に戻しておきましょう。
野菜をザクザク切ります。
室温に戻したもも肉に塩小さじ2、コショウ(たっぷりめに)をすり込みます。
フライパンにオリーブオイルをひき、強火でもも肉に焼きいろをつけます。
この時に肉のまわりに切ったやさいも入れ一緒に焼きいろをつけていきます。
これはあとでソースを作るときの香りづけになるので野菜に少し焦げ目がつくくらいに焼きます。
肉と野菜に焼きいろがついたらフライパンに蓋をして、弱火でじっくり蒸し焼きにしていきます。
(今日のお肉の大きさ420gならば片面8分づつ、合計16分くらい)
焼き上がりが不安な場合は金串を刺して金串が温まっていれば大丈夫です。
蓋を開け、もう一度強火にし野菜からでた水分を飛ばしたらお肉を取り出し、2重にしたアルミホイルでつつんでおきます。
和風グレービーソース
野菜が残っているフライパンに水をカップ2杯いれ半量になるまで煮詰めます。
野菜を網で濾し、肉汁と野菜の旨味がギュッと詰まったスープを小鍋に移したら赤ワイン、みりん各50cc、醤油120ccをいれ入れ、さらに2〜3分煮詰めて出来上がりです。
あとはお肉が落ち着くのを少し待ちましょう。目安は40~50分ほどです。
この間に北海道特産の山わさび(ホースラディッシュ)を忘れずにすり下ろしておきます。
さて、ローストビーフはそろそろ落ち着いてきた頃です。
切ってみると中はピンク色で血赤の部分はほぼなく、よい仕上がりでした。
オーブンで焼いた時と遜色ない出来上がりになるので、最近はオーブンの出番が少なくなりました。
さぁ食べましょう!
「いただきます」
しっかりした歯ごたえのローストビーフに和風グレービーソースがバランスよくまとまりついついにやけてしまいます。
そこに赤ワインをひと口。
ん-!うまい!
えべおつWeinの赤ワイン「derGanz 輝 樽熟成」はピノ・ノワール、ツヴァイゲルトレーベ、の2品種混醸。
自然な形の醸造にこだわって仕上げています。
口当たりと香りは柔らかく、透明感のあるミディアムボディの丁寧なワインは雪に囲まれた我が家に温もりをはこんでくれました。
ペロリとローストビーフを平らげ、グビグビと赤ワインを飲み干し、今日も幸せの食卓でした。
2021の葡萄
2020のワインはとても美味しかった。
そして、頭によぎるのは高橋さんの一言。
「2021の葡萄の出来の良さははうちだけじゃなく、北海道のワイナリー、ヴィンヤード、全てに言えることです。もしかした2021のワインは北海道ワインのエポックになるかもしれません。」
えっ!本当ですか!?
楽しみにまた1年待ちましょう。
連日大雪注意報が発令され、積雪は毎日増えて行きます。
家の玄関からの景色。みるみるうちに雪の山が出来ました。
ドカ雪の上にまた静かに雪が降り続いています。
今頃は横たえられた葡萄の木も雪の布団に包まれて冬眠の最中でしょうか。
みなさま、よいお年をお迎えください。