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生後100日を迎えたら「お食い初め」を

2020.10.12

自分にとって年中行事といえばお正月の初詣くらいで、日本の伝統行事には関心が薄いほうだったのですが、子供が生まれるとだいぶ景色がかわってきました。

生後7日すぐに「お七夜」があって、1ヶ月後には「お宮参り」があってとイベントがめじろおしで、伝統行事が身近になるものなのだなあと親としての自覚とともに感慨深く思います。

今回はさらにそのあと、生後100日頃に行う祝いの儀式、「お食い初め」ついて自分自身の経験も交えつつご紹介していきます。

 

子供が食に困らないよう願いを込めて


「お食い初め」は生後100日頃の赤ちゃんに向けて「これから食べることに困らないように」という願いを込めて行う伝統的な行事。

「お祝い膳」を作って家族で集まり、赤ちゃんが誕生からその日まで無事に育ってきたことを祝い、これからも元気に育っていくことを祈ります。その歴史は平安時代の文献にすでに記述があるほど古く、地域によっては「箸祝い」「百日(ももか)祝い」などとも呼ばれているそうです。

食料も乏しく医療も未発達で100日を生きることが今より大変だった時代には、無事に育ってほしいと願う親心は切実だったろうと想像します。現在では生まれて100日を記念するという意味合いが強く、一般的には生後100日〜120日頃に行われることが多いようです。

私には7歳と生後3ヶ月の二人の娘がいて、次女はこれからお食い初めの時期を迎えます。

長女のお食い初めを振り返ると、お祝い膳を一から手作りした自分の姿を懐かしく思い出します。初めての子ということで、母として少々張り切りすぎていたかも知れません。

 

お祝い膳の器はどう選ぶ?


お食い初めのお祝い膳はどのような食器を使用するのかというと、一般的には漆器のお椀と白木の「祝い箸」を用意し、漆器の色は男の子が朱塗り、女の子は黒塗りのものが良いとされています。

地域によっては漆りの色が逆のこともあったり、習慣の違いがあるようで、たとえば福岡の博多では漆器ではなく木を曲げて作られた器を使う慣習もあるそうです。

また最近ではレンタルしたり、離乳食がスタートしてからも使えるベビー食器で済ます人も増えています。私の長女の場合もベビー食器と、お宮参りの時に神社から記念品としていただいた朱塗りの器を使いました。住んでいる地域の慣習をおじいちゃんやおばあちゃんに聞くなどしながら、家庭で相談して選ぶと良いと思います。

献立は一汁三菜が基本

 

お祝い膳は海の幸と山の幸、穀物や塩など子供の成長に必要な食材という意味で、お赤飯、焼き魚、野菜などの煮物、汁物といった「一汁三菜」が基本形とされています。

具体的な献立はその土地ならではの食材を盛り込んだり、内容はいろいろあるようです。たとえば北海道ではお赤飯を小豆ではなく甘納豆で炊いたり、地域によってはお粥、白米、栗ご飯を用意したり、また関西地方では「多幸」という語呂合わせでタコの酢の物や煮物が膳に上ることもあるようで、食器同様にその地域性や各家庭らしさのある献立でよさそうです。

一汁三菜はそれぞれとはいえ、ひとつだけ欠かせないとされているのが、「尾頭付きの鯛」。昔から「めでたい」という語呂や紅白の見た目、滋味豊かなことから縁起の良い食べ物とされているので、できれば用意したいものです。スーパーなどでも手に入りますが、最近はネットショップで購入する人も増えているようです。

 

私の長女の時は鯛を家で焼こうとも思いましたが、オーブンを持っていなかったため断念し、焼いてあるものをデパートで購入しました。

その他の献立は、私の出身は関西、夫は九州、住んでいたのは東京ということで土地柄は考慮せず、一般的なお祝い膳の献立をインターネットで検索し、お赤飯、筑前煮、紅白なます、蛤のお吸い物の材料を揃えて作りました。しかし初挑戦の献立ばかりで、お赤飯は水の分量を白米と同じにしてしまい硬い炊き上がりになり、筑前煮もなますも具の数と量のバランスが悪くてたくさん作り過ぎてしまい、その後の数日は朝昼晩と筑前煮となますばかり食べることになりました。

当時を思い返すと、「母親なら手作りすべき」というような気負いがあったように思います。今では、産後という心身ともに余裕がない時期に無理に作らなくても「子供の健康を願う」という気持ちさえあればどんな形でも良いのかなとも思います。近頃はネットショップを見てもお祝い膳のお赤飯や煮物などがいろいろと販売されているので、今度の次女の時は市販品も取り入れながら作ろうと考えているところです。

 

年長者が赤ちゃんの口に運ぶ

 

生後100日頃は離乳食が始まる前の時期なので赤ちゃんはお祝い膳を実際に食べるわけではなく食べる真似だけをします。箸を赤ちゃんの口に運ぶのは身内で最年長の人が行うとされているので、おじいちゃんかおばあちゃんが行う場合が多いようです。口に運ぶ時は、ご飯→汁物→ご飯→魚・煮物→ご飯の順を3回繰り返すのが基本形とされています。赤ちゃんの機嫌が良ければ3回チャレンジしてみてください。

 

最後に行う歯固めの儀式

  

お祝い膳を食べる真似をした後は「歯固めの儀式」を行います。これはお食い初めの時期あたりから早い子では乳歯が生え始めることから「丈夫な歯が生えるように」と願って行う儀式です。御膳に置いた「歯固めの石」に箸を軽く当てて、その箸を赤ちゃんの歯茎に優しくちょんちょんと当てます。

石は1cm〜5cmぐらいまでのもので、黒・白・赤の石を1個ずつ用意するのが正式とされています。お宮参りをした神社の境内から拝借したり、お祝い膳とセットで購入したり、河原から拾ってくるなど入手方法も様々のようです。

私の長女の時は近所の神社で神主さんに了承を得て境内の玉砂利から1個だけ拝借し、翌日に返しに行きました。地域によっては石の代わりに梅干し、栗、餅、タコなどを使う場合もあるそうです。

 

各家庭らしい、あたたかなお祝いの時間を

 

お食い初めは日本に受け継がれてきた伝統的な行事ですが「必ずこうでなくちゃダメ」という決まりはありません。家族みんなで集まり、子供が成長する喜びを共有できる機会があることが嬉しいですね。

今の時期はおじいちゃんおばあちゃんの参加がかなわないこともあると思いますが、たとえば写真や動画で赤ちゃんの姿を見せるだけでも喜ばれるはずです

その家庭らしいお食い初めで家族の愛を深める時間を過ごしてください。

  

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