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〜北海道便り10月初旬〜新米と自家製いくら~

2021.10.07

先月初旬から始まった紅葉が一ヶ月かけてゆっくりと平地におりて来ました。

少しずつ色付き始めた木々に「秋」を改めて感じていたある日、待ちに待った朗報が届きました。

「新米、いつでもだせますよ。」

すっかり仲良くさせていただいている、ほりぐち農園さんからの有り難い電話です。


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<〜北海道便り 8月初旬〜夏野菜とコッホサラミ>


近年北海道米の評判は上がってきていますが、なかでも最も高い評価をうけているのが「ゆめぴりか」ではないでしょうか。
ほりぐち農園さんは主にその「ゆめぴりか」を栽培しています。



先月末に稲刈りが始まり、その様子を見学させて頂きました。
大きなコンバインがどんどん稲を刈り取って行きます。
刈り取るだけではなく、そのまま「もみ米」となって近くに控えているトラックの荷台に勢い良くはき出されていきました。
その作業の速さたるや、まさに”みるみるうちに”を実感できます。



あっと言う間に田んぼが裸になって行きます。


もちろんそのまま、すぐにお米として食べられるわけではありません。

まず、もみのついたお米を乾燥させ、籾摺り、完熟米と未熟米の選別の作業を行います。
このときライスグレーダーという機械がこの一連の作業をこなすとのこと。優秀。

さらに色彩選別機という機械にいれて色味の悪い物を除けて行きます。
このとき混じってしまった石なども取り除いてくれます。



ここまで進んでやっと玄米の完成です。
そして、最後の工程の精米を経て、ピカピカのお米になるのです。
時間と労力の賜物の新米。

今回はこのピカピカの「新米ゆめぴりか」をいただきます。
新米を引き立てるご飯のお供を作るべく、スーパーへ。



ありました!
この季節限定の食品「生筋子」です。

北海道の家庭ではこの時期に自家製いくらを作り置きし、冷凍庫で保存しておきます。
手巻き寿司やちらし寿司のトッピングにしたり、お正月のおせちにしたり、その時々に合わせて登場します。

今年の水揚げ量に比例してか、例年に比べ値段は高く、並んでいる量も少な目です。
それでもスーパーで手軽に手に入るのはありがたいところ。

この「生筋子」で自家製いくらを作ります。



自家製いくら(塩漬け)


買い求めたのはやや小ぶりの生筋子一腹半、530グラムほど。

イクラを作るにはまず筋と薄皮(膜)を取り除き、一粒一粒にほぐします。


ほぐし

ここで登場するのがこの網。
北海道の家庭には5軒に3軒くらいの確率で常備していると思われる「生筋子専用ほぐし網」。



この網の上に生筋子をのせ、上下左右に手を動かせばまたたく間にパラパラにほぐれ、網の上に残るのは筋と膜だけ。優秀でしょう。
網の上で擦ったら潰れそう、と思いがちですが生筋子は案外潰れないのである程度思いきって擦りましょう。



ほぐした生筋子は2、3回水を変えて汚れを落とし、少し残ってしまった筋などを取り除きます。

ざるにあげて水をきったら、調味料をいれて行きます。
醤油、みりんで味付けをする醤油漬けが一般的ですが、我が家は昔ながらの塩漬けです。



調味

筋と薄皮を取り除き、500グラム弱になった生筋子に塩大さじ1をふりかけ、ざっくりと混ぜ合わせて全体に塩味を行き渡らせます。
そして酒、醤油各大さじ2をふりかけ、味付け完了。
このとき余計な水分と生臭みをおとすために、味付け作業は全てざるの上で行うとよいです。

全体を混ぜ合わせたら保存容器に移し、冷凍庫で一晩寝かせます。

冷凍庫(冷凍-20℃で24 時間以上)にいれることにより、万が一入っているかもしれないアニサキス退治になります。
(家庭用の冷凍庫は一般的に-18℃ですが調整可能なことがほとんどです。)

冷凍庫の中でもいくらは味が馴染んでいきます。
せっかくの自家製いくらを冷凍?!
と思われるかもしれませんがこれを室温で戻したとき、味は全く変わらないのでご安心を。

冷凍しない場合は70度くらいのお湯でバラしたいくらを洗う方法もありますが、ぬるければアニサキスは死滅せず、温度計で測るのも面倒、ということでわたしはもっぱら冷凍除菌をしています。


と、いうことで新米は明日へおあずけとなりました。


一晩空けて


一晩冷凍庫に寝かせ、自家製いくらが完成しました。
いよいよ新米をいただきます。

せっかくなので久しぶりに土鍋で炊きました。
やや少な目の水加減で炊いた土鍋ごはん。一味も二味も違います。
土鍋の蓋をあけると炊きたての新米がふくよかな香りを漂わせます。

ピカピカのお米にピカピカのいくら。間違いないですね。





真っ白な新米の上に鮮やかなオレンジ色のいくら!

人はまず目で食し、鼻で食し、舌で食す。
といわれる通り、この光景に食欲が勢いづきます。

イクラをのせたご飯をひと口。
口の中でイクラを意識的にぷちっとつぶしてみます。
ふふ、、、旨味が一段あがります。



のりのうえにご飯、イクラをのせてパクリ。
ふふふ、、、また一段あがります。

あ~美味しい!

炊きたての新米と自家製いくら、シンプルだけど贅沢なひとときです。
もう一膳、お替りもして、はぁ~ごちそうさまでした~。


昨日、えべおつWeinさんから葡萄の収穫が始まった、と連絡を頂きました。
明日は摘み取り作業のお手伝いに行って来ます。
昨年収穫された葡萄がワインになり、我が家にとどくのは11月初旬の予定です。
一滴、自分が摘んだ葡萄も入っていると思うと、1年間待つ時間はお楽しみの時間です。
その頃には初雪も降りているかもしれません。
そろそろ冬の準備を急ぐことにしましょう。




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