アレルギー専門医 千葉クリニック 千葉友幸先生インタビュー
アレルギー科・小児科の専門医、千葉クリニックの千葉先生のインタビューさせていただきました。現在、自然環境や住環境が大きく影響している中でアレルギーはどのような変化があるのでしょうか。
千葉友幸先生
日本小児科学会 小児科専門医(常勤), 日本アレルギー学会 アレルギー専門医(常勤)
おかあさんのケアのたまもの
ーいまアレルギーにはどんな変化がありますか。
以前とても多かったアトピー性皮膚炎は今、少しずつ減っているように感じます。
それはおかあさんたちがしっかりケアをしてくれたたまもの、結果だと思います。
「ドライスキンが悪さをする」という情報が共有されて、赤ちゃんのスキンケアを一生懸命やってもらえたのだと思います。
昔は乳児湿疹と呼ばれて、ほっとけば治るなんて言われていたんですよ。
それに比べて今はインターネットなどやSNSで知識や情報に触れやすい時代で、「正しい情報」が共有されることはいいことですね。
アレルギーになりやすい、なりにくい
それから、多く知られていることかもしれませんが、おかあさんの腸内細菌が重要です。
赤ちゃんは産道を通って生まれるとき、おかあさんの腸内細菌をもらいます。
これまで無菌状態だった赤ちゃんがすばやく外の環境に順応するためにとても大事なものです。
対して、帝王切開で生まれてきた赤ちゃんはもらえないまま生まれてくるから比較的アレルギー体質になりやすいと言われています。
ただし、前者ように腸内細菌をもらっているのにも関わらず、抗生物質を投与されてバランスを崩してアレルギーを引き起こすこともあるので、どちらにしても小さなおこさまのアレルギーについては細かく専門医に相談していただきたいです。
体質が変化するスイッチ
ーいまの自然環境はどのような影響がありますか
水質汚染、大気汚染はアレルギーにとても悪い影響が出ています。
おとなりの韓国、ソウル市内では鼻炎と結膜炎がとても増えていて、漢江という大きな川の汚染と狭い町に人口が急増していることが原因だったり、中国はご存知の通りPM2.5など大気汚染が深刻ですね。
国が先進化することは自然環境と人との生活を変え、それは同時に人の体質を変化させるスイッチとなるわけです。
少し話が変わるかもしれませんが、このところ注目されているのが”口腔アレルギー症候群”。
昔からありましたが今増えています。花粉症と食べ物が共通のカギのようなものをを持っていてそのどちらかでアレルギーを発症してしまうというもの。
たとえば、ブタクサにアレルギー反応がある方はメロンやすいかを食べた時にもアレルギー反応が出るとか、白樺の花粉がだめな方はりんごを食べると出てしまうとか、他にもラテックスというゴムのアレルギーがあるんですが、この場合はキュウイをたべると出るとか…。
アレルギーの原因になるものが身の周りに充満している環境では肌と鼻から侵入してきて、食事の際には口から入ってくる。
自然環境が悪くなるとわたしたちの住環境も変化して、結果、様々なアレルギー患者さんが以前に比べて増えているということです。
空気も水も自分の好きなように使っていいものではない
ー自然環境や住環境が変化する中での子育てについてはいかがでしょうか
たとえば、水の汚染についてですが、ざっくりいうと自然の水環境に余計な栄養が増えてしまうということ。
この栄養で藻が増えたり、赤潮が起きたりして、自然界の生き物に悪影響があります。
以前からよく言われていたことですが、お味噌汁1杯を川に流し捨てるとしたら、元通り魚が住める環境に戻すためには1400リットル、お風呂7杯分の水が必要だとか。
汚してしまうと元に戻すのは本当に大変なことなんです。
空気も水も自分の好きなように使っていいものではないのです。
いまこの地球に住むわたしたちが互いに気をつけて環境を守っていなかければいけません。
そうしないと、次の世代の子たちの首をしめちゃうことになる。一旦は環境のことを考えたりはするけれど、みんなすぐに忘れてしまいます。
マイクロプラスチックをお子さんに食べさせたい人はいないと思う
そう、結局ミネラルウォータのペットボトルはほとんどリサイクルされず、スーパーやコンビニのビニール袋はいつまでたってもなくなりません。
このところ海洋汚染でマイクロプラスチックが話題になっていますね。
これで心配されていることは、わたしたちが撒き散らしたとても小さいプラスチックのゴミを小さい魚が食べて、それを中くらいの魚が食べて、またそれを大きな魚が食べて、最終的にはわたしたち人間がそれを食べる。
分解されない物質は、濃縮されてわたしたちの口に入ってきます。ご自身のお子さんにマイクロプラスチックを食べさせたいという人はいないと思います。
アレルギーは地球のSOS
わたしたちが日々治療にあたっているアレルギーは氷山の一角であって、実は地球上のいろいろな環境の中でセンサーを持つ人たちが反応しています。
つまり、地球のSOSを受け取って、このままではダメだダメだと言っているわけです。アレルギーを持っている人は敏感なんです。
50年前と日本人の体質は遺伝子レベルで変わってないのに、病気が変わってきているということは、明らかに自然環境や住環境変わったことが影響しています。
マルチピュアは気づいている
マルチピュアはこの自然環境の変化にずっと対応してきていますよね、わたしがマルチピュアの浄水器を導入したころ、除去項目は60~70くらい?
ー63だったとおもいます。
今は100項目まで増えているんでよね、ちゃんと自然環境の変化に気づいてる。
水は命の、生活の基本ですから、しっかり現在のわたしたちの生きる環境に対応していくことが大事です。
マルチピュアの浄水器があったら、もうゴミになるだけの、マイクロプラスチックになるだけのペットボトルの水を飲もうとは思わないですよね。思わず便利だとおもっていると足元をすくわれるかもしれないということ。
マルチピュアの技術は、未来のこどもたちに残せる技術だとおもいます。いまを生きるひとたちが地球を守り、住環境をつくる礎にならなければいけません。
アレルギーを持っていても、持ってなくても今地球に生きるおなじ人として
ぶっちゃけた話にはなりますが、わたしが最初にアレルギー専門医として患者さんを診るときはどちらかというと、特異体質に対応するという感覚でした。
しかし、もちろん今はまったく違います。患者さんを診ることで、同時に地球環境を考えている。
そして患者さん個人やその家庭で対策をするだけではなくて、アレルギーを持っていても、持ってなくても、今地球に生きるおなじ人として自然環境を守っていくことがとても大切だと思っています。