我が家のお菓子づくり
7歳の娘はお菓子づくりが大好き。幼稚園に通っていた頃、リビングに置いてあったタブレット端末でたまたまパティシエのコンテストの動画を見たことをきっかけにはじまり、小学校に入ってからは図書室からレシピ本を借りてきて「もっといろんなスイーツを作りたい」とうっとりと想像を巡らせています。
私自身はお菓子づくりの経験は浅く、お菓子を作るには特別な材料や技術、知識が必要だったり、なにより時間がかかる作業ではないかと、高いハードルを感じていました。しかし娘のキラキラした目を向けられたらそうも言ってられません。娘に誘われるような形で重い腰を上げることになりました。
まずはおなじみのホットケーキミックスでお菓子づくり
娘が最初に作りたいと言ったのはクッキー。正直、私自身にとっても初めてのクッキーづくりでした。例のハードルを思い浮かべてしまい、少々暗い気持ちでレシピをインターネットで調べていると、ホットケーキミックスを応用してクッキーを作れることがわかりました。
普段、お菓子を作る方や、ホットケーキミックスを幅広く利用されている方にとっては当たり前のことで、よく知られたことだったと思いますが、そのときの私にとってはホットケーキミックスが救世主のように感じました。
ホットケーキミックスにはベーキングパウダーが含まれているため、本職のホットケーキだけではなく、さまざまな焼き菓子の材料になるとのことで、200gや150gで小分けされている商品はさらに嬉しい。
以前、パティシエの友人が「お菓子は目分量で作ってしまうと美味しくできない」と言っていたのを聞いたときから、普段目分量で料理をしている私には「計量」のハードルに充分な高さを感じていたので、これはありがたかったです。
材料も作業工程も省けるホットケーキミックスのおかげで、お菓子づくりのハードルがぐっと下がりました。 これで準備万端、娘との初めてのクッキーづくりがスタートしました。
型抜き担当、こねる担当
娘が最初にクッキーを作りたがった理由はパティシェの動画で見たクッキーの「型抜き」に惹かれたからでした。粘土遊びみたいで、しかも粘土とは違って食べられるということに興味をそそられたようです。
ホットケーキミックスをボールに開けた時は「こんなサラサラの粉が、動画で見たような粘土みたいになるの?」と不思議そうな顔をしていました。それがサラダ油と卵を入れて手でこねていくと、粉がどんどんポロポロの粘土状になり、次第にひとつの塊りになっていきます。
粉が変化する過程を娘は嬉しそうに見開いた目とベタベタの手でしっかりと確かめていました。
その生地を平たく延ばして、いよいよ待ち望んでいた型抜きをするとなった時、星やハートの型を娘はじっくりと堪能するように時間をかけて作りました。生地が破れたり、抜いた型が崩れたりしても、めげずに生地を延ばし直して何度もやり直す姿には、親バカかも知れませんが感心したものです。
うちには本格的なオーブンはなく電子レンジのオーブン機能を使っていますが、180°Cに設定して10分〜15分くらいで十分に美味しく焼けました。
ホットケーキミックスを応用したクッキーは、今では思い立った時にササッと作れるようになりました。娘は相変わらず型抜きが大好きで、生地をこねるのは「お母さんやって」と言い、自分はもっぱら型抜き担当です。
我が家のクッキーの材料と作り方
ホットケーキミックス 200g
サラダ油 大さじ3(バターやマーガリンでも可)
卵 1個
電子レンジのオーブン機能を使って、あらかじめ180℃に熱しておく。ボウルで全ての材料をよく混ぜ合わせラップに包み冷蔵庫で10分ほど寝かせる。その生地を3〜5mm程の厚さに延ばして型で抜き、クッキングシートを敷いた天板の上に並べる。電子レンジのオーブン機能で焼き色が付くまで焼き、ちょっと冷ましたら出来上がり。
イギリスの思い出は娘と共に
私はすっかりお菓子づくりのハードルを越えた気持ちになり、さらなるホットケーキミックスの応用編レシピを探していると、「スコーン」に目が止まりました。
私がスコーンを初めて知ったのは20年以上も前にイギリスを旅した時でした。現地の人はベリーのジャムとクロテッドクリームという牛乳の脂肪分で作った濃厚なクリームをつけて紅茶とともに楽しんでいて、その組み合わせは「クリームティー」と呼ばれていました。シンプルな食べ方ですが、当時の私には特別な味わいに感じられました。
娘と作ったのは、ホットケーキミックスと牛乳とバターで生地を作り、それを食べやすい大きさに丸めて焼いただけ。いわば即席のスコーンで、クロテッドクリームも手に入らず当時の味が再現できたかはさておき、ホットケーキミックスのおかげで、イギリスのカフェで体験したクリームティーについて娘と話す機会が持てました。
どうして膨らむの?
娘とお菓子を作っているときにはにおしゃべりがはずみます。私にとっては学校や友達の話を聞いたり、子供の学校生活について知る時間にもなり、また娘にとっては「生地を焼くとどうして膨らむの?」という問いがうまれたり、自分で作る工程と結果を体験し、料理や食について学ぶきっかけにもなりました。
時間にすると30分程度のお手軽なお菓子づくりですが、親子で同じ目的をもって楽しく作業し、できあがったお菓子を一緒に食べたときの充実感はたっぷりです。
ハロウィンも一緒にお菓子づくり
ホットケーキミックスを応用したお菓子づくりは、高いハードルを感じている私にとっての入門編となりました。 次のお菓子はハロウィンに向けて計画しています。私は少し細かい装飾や工夫をしてみようと意欲が沸いていますし、娘は自分で作ったクッキーをハロウィン仕様に可愛くラッピングしてお友達に配りたいとワクワクしています。
ちょっとあいた時間でのお菓子づくりは、わたしたち親子にとって想像以上に有意義な時間になりました。これから娘の成長と共に作るお菓子のハードルは上がっていきそうですが、一緒に腕を磨いていこうと思っています。