【素敵なお店へ】日本料理と桜しゃぶしゃぶ「そま莉」(目黒)-1-『自分だからできること』
日本料理店『そま莉』
熊本の郷土料理を中心とした日本料理店、『そま莉』。
目黒駅からほど近い無機質なビルの外階段に、控えめな看板と淡い色の暖簾がかかっています。2階に上がり店内へ入ると、清潔感のある明るい色の木と畳の清々しい空間が広がり、照明はやわらかく、仕込みを終えた料理が並ぶカウンターをあたたかく照らしていました。
「そま莉」は桜しゃぶしゃぶをメインに重厚な会席コースから気軽な一品料理まで提供する間口の広いメニューが魅力です。オーナーであり、女将さんである河津 幸恵(かわづ さちえ)さんに、お店のことや熊本料理のことなどをインタビューさせていただきました。
飾りのない気さくな笑顔で、お店のはじまりから、お仕事への熱意やご自身のことまで伺ううちに、お店のことはもちろん、なにより河津さんご自身にすっかり魅了されてしまいました。
(多岐に渡ったインタビューは3回に分けて更新していきたいと思います。)
第1回「自分だからできること」(2016年9月30日更新)
第2回「人と人とをつなぐ 縁の下の力持ちに」(2016年10月7日更新)
第3回「熊本の桜しゃぶしゃぶを頂きました」(2016年10月14日更新)
「そま莉」の始まりはバーから
―お店のはじまりについて聞かせてください。
「『そま莉』は最初、ショットバーからスタートしたんです」
意外な答えでした。和風の落ち着いた店内からはショットバーを想像できず、前身のお店についても詳しくお聞きしました。
―河津さんがショットバーを始めたのはいつごろですか。
オープンしたのは28歳のときです。
(店を始める前、)会社で働いていたときは、疲れてしまって一日中笑わない日もあって、「これはいかん!」と思って、せっかく一回の人生だから、楽しくて自分のやりたいこと、そしてみんなに喜んでもらえる仕事をしたいと思うようになりました。
頑張って働いている人たちが、ほっとできる場所があったらいいなと思って。
―28歳で!その若さで自分のお店を持つことに迷いはありませんでしたか。
大学生の頃にずっと飲食業のアルバイトをしていて、楽しかったし、お客さんに喜んでいただいている実感も直接いただくことができるから、「もうこれしかないな」と思いました。
それと、自分でなにか達成したいという気持ちもあったと思います。
若かったですし、もうちょっと自分だからできるようなことをしたかったんだと思います。
―お店の場所は目黒と決めていましたか。
もともとは、目黒の予定ではなかったんです。目黒に来たこともなかったし、最初はもっと人が集まる恵比寿などで探していました。
でも恵比寿は地価が高いし、不動産屋さんも、なんの経験もない28歳の小娘をなかなか相手にしてくれなかったですね。
いくらあるの?
恵比寿では途方にくれてしまって、試しに一駅移動してみたんです。
でも一駅ずれても山手線だから目黒も高い土地だし、不動産屋さんに「そんなにやすやすとはできないわよー」って言われて。(笑)
何件か回っているうちに、1件の不動産屋さんが「ちょうど1か月後にここの上の階が空くんだよ」と言ってくれて。見に行ったら自分の思っていたちょうどいい広さで、すぐに「これはいける!」って思いました。
そのときはスナックでしたが、全面ガラス張りでオープンな感じのところが気に入ったし、その日は誕生日だったので、「これは神様からのプレゼントだ!」と勝手に。笑
下の不動産屋さんに戻って、「手付金はいくら払えばいいんですか」って聞いたら。持ってなさそうにみえたんでしょうね、逆に「いくらあるの?」って聞かれて。
案の定、そのときの持ち合わせは1万円で、さっと渡してすかさず申込書にサインしました。
ドキドキしながら不動産屋さんから出てきたのを覚えています。
――お店の物件探しは難航しながらも、ご自身のお誕生日に、ついにすてきな出会いをされた河津さん。第2回目では、ショットバーから現在の「そま莉」に至るまでのおはなしです。
次回につづきます
桜しゃぶしゃぶと日本料理 「そま莉」
【営業時間】月 ~ 土(日祝休み)
18:00 – 23:00
(お食事ラストオーダー 22:00)
(お飲み物ラストオーダー 22:30)
【座 席 数】カウンター 14席、テーブル 16席、全席禁煙(全席座敷)
【住 所】〒153-0063
東京都目黒区目黒1-4-8 東レクビル2F
【アクセス】JR山手線 目黒駅西口
東急目黒線、東京メトロ南北線、都営三田線 目黒駅 各駅より徒歩2分